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米国はいつ「韓国放棄カード」を切るのか

真田幸光教授と「金融」を通してアジアの火薬庫を読む(2)

2017年11月1日(水)

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トランプ政権が見据える新たな同盟構想に韓国の名は…(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

 米国は韓国をいつまで同盟国と見なすのだろうか。愛知淑徳大学の真田幸光教授と「通貨戦争」を通じ考えた(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

摩訶不思議な中韓スワップ

中韓通貨スワップは、本当に存在するのでしょうか?

鈴置:多くの人が首を傾げています。中韓スワップの期限が切れた翌々日の10月12日になって、韓国銀行の総裁が「結び直した」「延長ではないが、延長と同じだ」などと、立ち話で語りました。

 しかし正式発表はなく、韓国銀行のサイトは10月31日になってもこのスワップに関する報道資料を一切、載せていません。問い合わせを受けた中国側も「韓国に聞け」と言うだけです(「『懲りない韓国』に下す米国の鉄槌は『通貨』」参照)。

韓国の通貨スワップ(2017年10月31日現在)
相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約548億ドル)終了→再開? 2014年
10月11日
2017年
10月10日
豪州 100億豪ドル/9兆ウォン(約78億ドル) 2017年
2月8日
2020年
2月7日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約85億ドル) 2017年
3月6日
2020年
3月5日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約36億ドル) 2017年
1月25日
2020年
1月24日
CMI<注> 384億ドル 2014年
7月17日
<注1>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。
<注2>カッコ内は最近の為替レートによる米ドル換算額
資料:韓国各紙
真田 幸光(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授(研究科長)/1957年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒。81年、東京銀行入行。韓国・延世大学留学を経てソウル、香港に勤務。97年にドレスナー銀行、98年に愛知淑徳大学に移った。97年のアジア通貨危機当時はソウルと東京で活躍。2008年の韓国の通貨危機の際には、97年危機の経験と欧米金融界に豊富な人脈を生かし「米国のスワップだけでウォン売りは止まらない」といち早く見切った。

真田:中韓の間に口約束はあるのでしょう。皮肉な言い方をすれば、協定を正式に結んだかはあまり関係ない。合意書があっても、様々の理由を付けて守らない国もあるのです(笑い)。

鈴置:確かに(笑い)。中韓スワップ協定が満期になる前から、THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)の韓国配備により中国が協定通りに人民元を融通するのか、疑問符が付いていました。

 ただ、「米国の向こうを張る大国」を中国は自称し始めました。正式な協定書にサインし世界に発表した後では、さすがに反古にしにくい。

 中国は韓国に外交案件で譲歩させた後に、見返りの一部として正式にスワップを結ぶつもりと思われます。

米韓同盟廃棄の呼び水

「譲歩」とは?

鈴置:10月31日、韓国外交部はそのサイトに「韓中関係改善に関連した両国の協議の結果」という題目の報道資料を載せました。

 これによると、韓国は「在韓米軍のTHAADは中国を狙ったものではない」と中国に一札を入れました。中韓合意のその部分を以下に訳します。

  • 韓国側は、中国側のTHAAD問題に関連する立場と懸念を認識し、韓国に配置されたTHAADは、その本来の配置の目的からして第3国を狙うものではなく、中国の戦略的安全保障の利益を損なわないことを明らかにした。

 「在韓米軍に配備されたTHAADは中国を狙ったものではない」と韓国は説明してきました。それを文書化させられたわけで、これは大きな譲歩です。

 北朝鮮の核問題が何らかの形で解決すれば、中国がこの文書をかざして韓国に「もうTHAADは不要だろう。米国に撤収させろ」と要求するのは確実です。

 一方、在韓米軍が中国の弾道ミサイルから自らを守るTHAADなしに駐留を続けるかは疑問です。結局、この合意は在韓米軍の撤収、ひいては米韓同盟廃棄の呼び水となります。

コメント51件コメント/レビュー

「李さんはこのような日本政府の態度に「生意気なことこの上ない」とし「恥ずかしく鼻でも隠してネズミの穴にでも入るべきで、あれこれほざくことが正しいことなのか」と憤りをあらわにした。」
この被害者意識にどっぷり浸たれば、汚く罵る言葉で何を言ってもいいという下品さが許されるという意識がまったく理解できない。頭の中で生きているひとたちなので、何が本当なのかは本当にわからないと思う。(2017/11/09 22:29)

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「米国はいつ「韓国放棄カード」を切るのか」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「李さんはこのような日本政府の態度に「生意気なことこの上ない」とし「恥ずかしく鼻でも隠してネズミの穴にでも入るべきで、あれこれほざくことが正しいことなのか」と憤りをあらわにした。」
この被害者意識にどっぷり浸たれば、汚く罵る言葉で何を言ってもいいという下品さが許されるという意識がまったく理解できない。頭の中で生きているひとたちなので、何が本当なのかは本当にわからないと思う。(2017/11/09 22:29)

なんか韓国側の工作員みたいなコメントだな。

>せっかく韓国に打ち込んだ楔を失うと、数年単位で回復はできないでしょうし

韓国の国民が米側に付く事を望んでいて努力しているなら維持に意味がある。
だが、内実は味方のフリをした敵側か、米側には立場維持の為には寄生を許せと言う行動。
この場合は明示的な敵の方が扱いやすいし低コスト。
切捨てが十分現実的な選択肢になる。

中国に寄ってもあちらは米国ほど甘くは無いので寄生もゆるされない。
今までのようにはいかなくなる。

それが分かっている憂いを持つ韓国人だとしても
口先だけの努力と寄生期間の延長を望むようなのが救いが無い。
長く米国側について中国への土産を増やす事を臨む勢力かもしれないし。

そもそも、反日教育で日本を敵視している上に
その感傷で理性的な判断も出来ないようだから、反日の中国側につくのが自然。(2017/11/07 14:58)

>せっかく韓国に打ち込んだ楔を失うと、数年単位で回復はできないでしょうし、米国に、欲しいと思ったものは一旦敵に与えて、後に大きく取り返すという考え方ができるのかも怪しい。

韓国は米軍にとって戦略的に重要じゃない、というかお荷物なので、きっかけがあればすぐに放り出すと思うよ。
そもそも在韓米軍撤退なんて、冷戦下のカーター政権でも検討されてたぐらいの話だし。
さらに、冷戦終結からこちら紛争が起こる度に在韓米軍から戦力が引き抜かれ、戻されないという緩やかな撤退はすでに行われているわけだし。(2017/11/07 01:54)

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