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韓国国会、朴槿恵弾劾案を可決

混乱はこれからだ

2016年12月9日(金)

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朴槿恵大統領の弾劾を求める群衆が国会議事堂前に押し寄せる中、弾劾訴追案が可決された(写真:ロイター/アフロ)

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 12月9日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の弾劾訴追案が国会で可決された。韓国の混乱はこれから始まる。

与党から62人が賛成

 与党セヌリ党からも128人中、半数近い62人が賛成に回った模様。賛成総数は234票で反対は56票、棄権が2票、無効が7票。セヌリ党の重鎮議員1人が投票しなかった。在籍議員300人の3分の2を超えたので弾劾訴追案は国会を通った。国会議事堂に「弾劾可決」を要求する群衆が押し寄せる中での可決だった。

 朴大統領への弾劾の事由は大きく分けて2つ(「弾劾の主な理由」参照)。40年来の友人、崔順実(チェ・スンシル)氏の国政壟断を助けたこと。もう1つは2014年4月の旅客船「セウォル号」の沈没の際に大統領として適切に対応しなかったことだ。

●韓国国会が掲げた弾劾の主な理由
  • 崔順実氏を国政に介入させ、憲法の国民主権、代議制民主主義、閣議に関する規定、大統領の護憲義務などに背いた
  • 崔氏が主導して設立した「ミル財団」と「Kスポーツ財団」の資金集めに関与したことは贈収賄罪に当たる
  • 両財団に大企業が寄付金を拠出したことに関連、職権乱用・強要罪が成立する
  • 青瓦台の機密文書が外部に流出したことは「文書流出および公務上の機密漏えい罪」に当たる
  • 旅客船セウォル号沈没事故への対応の不備は生存権を保障する憲法に違反する

 弾劾訴追案の可決により朴大統領は職務停止処分となり、黄教安(ファン・ギョアン)首相が大統領の権限を直ちに代行する。

 同日午後7時過ぎ、黄首相は大統領権限代行として初めて閣議を主宰。「北朝鮮が核・ミサイル以外にも挑発してくる可能性があるので備えるように」と指示した。

 今後、180日以内に憲法裁判所がこの弾劾訴追案が合憲か否かを審理する。合憲判断が出て弾劾が成立すれば、直ちに朴大統領は退陣。60日以内に選挙を実施し、任期5年の新たな大統領を選ぶ。違憲なら朴大統領は大統領職に復帰する。

 朴大統領は12月9日午後5時から国務委員懇談会を開き「「私の不徳により国家的混乱を招いたことをお詫びする。国会と国民の声を厳粛に受け止める」と述べた。さらに「憲法と法律の定めた手続きに従い、憲法裁判所の弾劾審判と特別検事の捜査に淡々と応じたい」と語った。

与党の党舎に卵

 「違憲→続投」の場合、韓国全土でこれまで以上に激しいデモが巻き起こるのは間違いない。メディアが連日「朴槿恵の悪行」を報じた結果、約80%の国民が弾劾に賛成しているからだ。週末恒例となった「退陣デモ」の参加者数は増える一方である。

 デモが過激化すれば、政権は厳しく対応するしか手がなくなる。戒厳令の発動まで検討するかもしれない(「朴槿恵の下野か、戒厳令か」参照)。その際、韓国政治は1987年までの「権威主義体制による抑圧」の時代に逆戻りする。

 ただ、憲法裁判所が判断を下す前に、次の大統領選をにらんで政界が動き出す可能性が大きい。それが泥仕合に陥れば、やはりデモが国会を包囲するだろう。

 12月3日には、弾劾に反対する与党「セヌリ党」に憤った群衆が同党党舎に押しかけ、卵を投げつける事件も起きている。

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「韓国国会、朴槿恵弾劾案を可決」の著者

鈴置 高史

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

日本経済新聞社編集委員

1977年、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員(87~92年)、香港特派員(99~2003年と06~08年)などを経て、04年から05年まで経済解説部長。02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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