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なぜ霊長類はまた3色型色覚を獲得したのか

東京大学 色覚の進化 河村正二(4)

2016年3月12日(土)

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わたしたちの視覚には「色」がある。だから、色があるのは当たり前と思うかもしれないけれど、色覚を持たない動物も多い。なぜわたしたちには色覚があり、どのように進化してきたのか。魚類から霊長類まで、広く深く色覚を追究している河村正二先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 霊長類は教科書的に言っても、視覚の動物であるというふうに昔から言われている。発達した視覚システムが霊長類の大きな特徴だ、と。

 眼球が正面を向いていて立体視ができるとか、視細胞の密度が高くて、空間解像度が高い(デジカメでいうと、画素が多い)とか、さらには3色型色覚。

 前回は、魚類の色覚の話で、ゼブラフィッシュは4色型色覚を持つのみならず、水面方向と正面や水底方向で、網膜上に違うセンサーのセットを持っていることを知った。

森の中の有利性

 しかし、哺乳類は、魚類のみならず、両生類、爬虫類、鳥類とは違って、いったん2色型色覚になっており、霊長類で3色型になったという経緯を持っている。

魚類から哺乳類まで、広く深く色覚の進化を研究する河村正二さん。

「中生代の恐竜の時代、おそらくわれわれの祖先は、夜行性の小動物だったと考えられていて、暗いところでは高度な色覚は必要なかったと考えられています。むしろ夜行性への適応をしたほうが、はるかに彼らにとってはよかったのではないかと。それで基本的に脊椎動物は4色型なんだけれど、哺乳類は錐体を2種類失って、2色型になったんです。霊長類以外の哺乳類はだいたいそうです」

 というわけで、今、視覚の動物である霊長類は、失った緑のオプシンを、赤のオプシンを変異させることで、また、青のオプシンは、紫外線オプシンを青方面にスライドすることで、RGBの色空間を得た。その背景には、霊長類が暮らしていた森の環境があるのではないか、と考えられている。

「葉の緑と果実が熟した時などの赤を識別できるかというと、2色型はできないんです。明度(明暗)が違えば識別できますけど、同じ明度で、色度だけをたよりに区別しようとしても完全に埋もれてしまう。2000年に発表された有名な研究があって、森の中での3色型色覚の有利性を示した図があります。これを見てください」

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「研究室に行ってみた」のバックナンバー

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「なぜ霊長類はまた3色型色覚を獲得したのか」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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