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ヒトのような色覚多型を野生のサルで発見!

東京大学 色覚の進化 河村正二(5)

2016年3月19日(土)

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わたしたちの視覚には「色」がある。だから、色があるのは当たり前と思うかもしれないけれど、色覚を持たない動物も多い。なぜわたしたちには色覚があり、どのように進化してきたのか。魚類から霊長類まで、広く深く色覚を追究している河村正二先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 東京大学大学院新領域創成科学研究科・人類進化システム分野の河村正二教授は、脊椎動物の色覚について、魚類から霊長類、さらにヒトまでを視野に収める研究を進めている。

 多様性を極めているかのような魚類の不思議な色覚から始まり、いったん高次の色覚を失った哺乳類の中でふたたび3色型色覚を取り戻した霊長類。さらにはヒトがなぜ色覚多型を持っているのか、という問題まで。現在はコスタリカの新世界ザルのフィールドと実験室を行き来する21世紀スタイルの研究室としてフル稼働している。

河村正二さん

 ここからコスタリカの新世界ザルの話に入っていきたいのだが、その前に、河村さん自身の研究史に触れておきたい。現在のフィールドに至るまでには、やはり、一筋縄ではいかないストーリーがある。

 そもそも、色覚研究は、本当に広く深いテーマで、興味が尽きない。ぼくはお話をうかがいながら、古典的な学問としてニュートン(光学)からゲーテ(色彩学)までをひとまたぎした上で、ダーウィン(進化論)によって筋を通し、ティンバーゲンやローレンツ(動物行動学)の肩を借り、生理学や医学の知識も総合しつつ、21世紀の超最新型・分子生物学が肉付けをしていくような、広さ・深さを常に感じないではいられなかった。

虫が好き

 河村さんは、いったいどういう経路で、このテーマにめぐりあったのか、それ自体、とても興味深い。

「僕はもともと進化に興味があって、遺伝子レベルで進化に切り込みたいという思いはありました。子どものときから、虫が好きだったり。何であんなに小さいやつがあんなにうまくできていて、うまいこと生きているんだろうというのを不思議に思っていたんです。それで、進化の研究をしたいなと。僕が大学生のころは遺伝子のことがよく分かるようになってきていたので、遺伝子から進化の研究ができたらいいなと思っていたわけです」

 子どもはなぜか、虫に惹かれる。そして、虫に惹かれた子のいくらかは、長じてもその思いを、人生におけるキャリア形成にまで反映させたりする。河村さんが大学の学部生だった80年代前半は、遺伝子と進化をからめた研究が勃興しつつある時期だった。そこで、東京大学の教養課程から専門課程に進むときに、当時、唯一「進化研究」を看板に掲げていた理学部生物学科の人類学教室を選んだ。目論見どおり、霊長類の遺伝子レベルの進化研究と出会ったわけだが、最初は、色覚とはまったく関係がない方面だったそうだ。

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「研究室に行ってみた」のバックナンバー

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「ヒトのような色覚多型を野生のサルで発見!」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師