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「男脳」「女脳」のウソはなぜ、拡散するのか

東京大学 認知神経科学・実験心理学 四本裕子(5)

2017年3月25日(土)

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目で見ているものが「実際」とは違って見えてしまうことを指す「錯視」。この錯視を含め、見たり聞いたり考えたりしているときの脳の活動を測定して、「時間の知覚」「多感覚統合」「脳の性差」など、人間の内なる活動のメカニズムを探る四本裕子先生の研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 日本錯視コンテストの入賞者に、毎年、東大に所属する人が複数いることに気づいて、東京大学大学院総合文化研究科の四本裕子准教授の研究室にたどりついた。

 そこから、「時間の知覚」や「多感覚統合」といったスリリングなお話を伺ってきた。

 最後にとりあげるテーマはもっと日常的な文脈に引きつけやすい「脳の性差」、つまり、「男の脳」「女の脳」の話だ。

神話を剥ぐ

 まず、お断りしておくと、お酒の席で「だから男は●●で、だから女は◆◆だ」というふうに盛り上がる話にはなりそうにない。むしろ、これまでこうだと言われてきた神話を剥ぎ取るような話になる。

 四本さんは東大の教養学部がある駒場キャンパスの准教授なので、大学に入ってほやほやの1年生の講義を受け持つことがある。その時のエピソードをもって、まず想像してほしい。

「駒場の1年生の心理学の講義で、最初にやるんですよ。血液型性格判断がいかに正しくないか、科学的じゃないか。でも、結構な数の子があれでショックを受けちゃうんですよね。今まで信じてましたって。でも、サイエンスとしての心理学の講義をとる以上、そこのところはちゃんとしてほしいです。血液型性格判断は、もう100パーセント非科学的なんですけど、ただ、血液型性格判断を信じてしまう人の心理っていうのは、おもしろい研究対象ではありますね」

 血液型性格判断については、もう信奉する人が度を越していて、ぼくもうんざりなので、四本さんのこの姿勢には大いに共感する。それが「正しくない」「科学的じゃない」理由については、本稿のカバーする範囲ではないと思うので触れないが、学問的にまったく支持されていないという事実はゆるぎなく、これまで信じてきた人は、そんな変な枠組みに自分自身や他人を鋳込むのはやめておいた方がいい。

 さて、脳にかかわる世間の関心は強く、さまざまなことが語られる。科学的な根拠がなかったり、あったとしても曲解、拡大解釈して、結果、誤った理解を広めてしまうことが絶えない。たとえば、2009年、OECD(経済協力開発機構)が公表して、有名になった「神経神話」“Neuromyths”には、「人間の脳は全体の10%しか使っていない」「右脳人間・左脳人間が存在する」「脳に重要なすべては3歳までに決定される」「男性の脳と女性の脳は違う」などが挙げられている。

 脳の性差は、まさにこの「神経神話」の代表的なもののようだ。四本さんは、そこにどう切り込むのか。

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「「男脳」「女脳」のウソはなぜ、拡散するのか」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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