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受け皿が消えゆく日本の「死」とその行方

国立歴史民俗博物館 日本の葬儀と死生観 山田慎也(4)

2016年5月7日(土)

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いま日本の葬儀が急速に変わりつつある。と同時に「死」の受け止め方も変容しており、日本の葬儀と死生観はある意味で混乱期にあるという。民俗学の立場から、日本の葬儀と死の受容を見つめ続ける山田慎也先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 国立歴史民俗博物館の山田慎也さんの話を聞いていて、日本の葬儀をめぐる現況がかなり深刻な状態になっていることがわかってきた。

 それも、送られる側(亡くなる側)にとっても、送る側にとっても、だ。

 あまりにもたくさんのトピックが関わっていて、混乱要素になりかねないので、このあたりでいったんまとめておきたい。

保証人の問題

 まず、送られる側にとっての問題は、そこに至る前から、当然のことながら始まっている。

[画像のクリックで拡大表示]

「人が、死にゆくとき、どうすればいいのか。年をとればとるほど、アパートに住まうとか入院するとか、その都度、保証人が必要なんですけど、多くは親族が保証人になる仕組みになっています。子どもですとか頼れる親戚がいないと困ってしまうので、お金を預託して、賃貸や入院の保証人だけでなく、死後のお葬式とか、引取とか、そういうこともやる死後委任事務の仕組みがだんだんと出来てはきました。ところが、そのひとつである公益財団法人の『日本ライフ協会』が運営に預託金を使っちゃって破綻しましたよね。一時は引き受けを表明した団体もありましたが、結局破産になりそうです。保証は打ち切られ、新たな組織を探す必要があり、預託したお金が戻らない場合もあるそうです」

[画像のクリックで拡大表示]

 賃貸の家に住む時の保証人の問題は、まだ五十代になったばかりのぼくの身の回りですらすでに起きている。もう親の代は存命でも保証人になれないし、子どもはいても若すぎる。きょうだいがいない場合、どうすればいい? というふうに。それが、もっと高齢になった時、子どもに頼れなければ、本当に困ったことになる。どうして、こんな仕組みなのだろうかと頭をひねらざるをえない。

 いずれにせよ、なんとも切実な問題になっているのだ。

ナショナル ジオグラフィック日本版2016年4月号でも、独特な葬儀と死生観をもつトラジャの特集「インドネシア 亡き家族と暮らす人々」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。

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「受け皿が消えゆく日本の「死」とその行方」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官