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目の動きや身ぶりで嘘を見破れない理由とは

文京学院大学 嘘の心理学 村井潤一郎(3)

2017年7月15日(土)

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フェイクニュースだとか、オルタナティヴファクトだとか、嘘とマコトの境界があいまいになりがちなこの2017年。嘘についてあらためて考えるべく、嘘の心理学を専門とする村井潤一郎先生の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=内海裕之)

「おいしいね。おいしい(笑) 後味が──すごいおいしいと思います。うーん、なんだろう。深い、深くて、何杯でもいけちゃうなって思います。おいしい。おいしい(笑)」

村井さんが教鞭をとる文京学院大学ふじみ野キャンパス。

 画面の中で、女子学生が手に持ったコップの中の液体を飲みながら感想を語る。村井さんが、文京学院大学人間学部心理学科3年生の授業で行った、「嘘を見破ることについての実験」用の映像の1コマだ。

 さて、彼女の言明は嘘か本当か。彼女は、本当に「おいしい」と思っているのか、それとも、本当は「まずい」と思いながら「おいしい」と言っているのか。

「なんだろう、すっごい苦いし……色悪いし……なんか粉浮いてるし(笑) まっずい、すごーい。なんだろう……鼻が痛いです」

 別の女子学生が同じセッティングで、コップの中の液体を評する。さて、彼女の言明も、嘘か本当か。

 結論は、両方とも嘘、だったのだが、その映像を見ながらぼくがつくづく思ったのは、リアルタイムで対話しているわけでもないのに、つい顔ばかりみてしまう、ということだ。2人とも、特に視線が泳ぐこともなかった。

 また、ぼくと一緒にこれらの映像を見た数人の中で、嘘なのか本当なのか予想が、真っ二つに分かれたことも印象的だった。答えは2つに1つだから、半数は正答なわけだが、逆に言えば半分は誤答したことになる。

ナショナルジオグラフィック2017年6月号でも特集「なぜ人は嘘をつく?」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら

「研究室に行ってみた」のバックナンバー

一覧

「目の動きや身ぶりで嘘を見破れない理由とは」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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