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急激に成長する赤ちゃんの脳で起きていること

東京大学 発達脳科学 赤ちゃんの脳研究者 多賀厳太郎(2)

2015年7月25日(土)

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首がすわってお座りをして、ハイハイを覚え、立ち上がって歩き、言葉を発する――生後1年間のうちに驚異的な成長を遂げる赤ちゃんの脳ではいったい何が起きているのだろうか。その発達の解明で最先端をゆく多賀厳太郎さんの研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=藤谷清美)

東京大学大学院教育学研究科の多賀厳太郎教授。

 赤ちゃんの脳の研究を進める東京大学の多賀厳太郎教授に、新生児の脳がすでに大人さながらに構造化されていると教えてもらった。多くのしわをもった形状といい、内部のネットワーク構造といい、大人の脳と変わりない域に完成していると。

 では、それがどう機能しているのか知るのが研究の方向性だろう。けれど、多賀さんは慎重に述べた。

「実は、ミクロに見ると、まだ足りていないものがあるんです。それは、シナプス形成です」

シナプス形成とは

 シナプスとは、脳の神経細胞と神経細胞を結びつける接続部位のことだ。

「新生児の時には、たとえて言えば、インターネットのケーブルはとりあえず配置はされてるんだけど、接続してない状況です。生後、シナプスが急激に増えていって、接続されるところが増えていく。シナプスの数を数えた研究がありまして、新生児の時期から生後6カ月から12カ月にかけて急激に増えて、その後、また減っていくと分かっています」

 ほうっ、と驚く。シナプスの形成はこの時期、非常にさかんで、視覚野だけでも1秒間に10万個のニューロンが作られているそうだ。しかし、それがすぐにピークに達して、そこから先は減る一方とは……。

 もっとも、これは単純に減るばかり、というわけではなさそうだ。

「実際に我々が生きている間、この時期の後でもやはりシナプスは形成されています。それに対してシナプスが刈り込まれるということもダイナミックに起きているので、増減のバランスで、減っていくことになるわけです。最初はつくられる量が圧倒的に多いけれど、それがだんだん逆転するわけです」

 単純に減るばかりというとなにか哀しい気分になるが、大人でも新しいシナプスを作ることが出来るという情報は希望が持てる。なにか切実な必要に応じて、我々の脳は、いつになっても「変わる」ことができると思えるから。

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「研究室に行ってみた」のバックナンバー

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「急激に成長する赤ちゃんの脳で起きていること」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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