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つながりの変化が示す赤ちゃんの脳の発達のしくみ

東京大学 発達脳科学 赤ちゃんの脳研究者 多賀厳太郎(3)

2015年8月1日(土)

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首がすわってお座りをして、ハイハイを覚え、立ち上がって歩き、言葉を発する――生後1年間のうちに驚異的な成長を遂げる赤ちゃんの脳ではいったい何が起きているのだろうか。その発達の解明で最先端をゆく多賀厳太郎さんの研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=藤谷清美)

 多賀さんらが赤ちゃんの研究のために開発した光トポグラフィ装置は、94カ所もの測定点を持つ世界でも最先端のものだ。赤ちゃんが軽い帽子のような形をしたセンサーのユニットをかぶることで、脳の血流の様子を見ることが出来る。光ファイバーを束ねたケーブルがなければ、帽子と変わらない。こういった装置によって、多賀さんたちが明らかにしてきたことは多岐にわたる。まず、どこから伺うのがよいだろうか。

東京大学大学院教育学研究科の多賀厳太郎教授。

「最初に前提として言っておかなければならないのは、脳って、何にもしてないときでも、すごく活動してるんですね」と多賀さんは言った。

 一瞬、頭に「?」マークが浮かんだ。

 光トポグラフィで、赤ちゃんの認知や行動と脳の活動を関連づけるような研究を想像していたからだ。たとえば、視覚や聴覚と脳、そして、言葉と脳、といったふうに。

「赤ちゃんは1日の大半は眠って過ごします。ぼーっとしていても、眠っていても、脳の各場所は活動をやめたりしないんです」

脳は止まらない

 なるほど、言われてみればもっともな話だ。

 胎児期から成人までの睡眠の構造変化を示す図表を見せてもらったが、成人のノンレム睡眠に相当する静睡眠、レム睡眠に相当する動睡眠という状態の他にも「安静覚醒」とされる時間もかなりある。育児をしていると、新生児はなぜか親が静かにしてほしい時に起きる、みたいな印象があるが、やはり、よく眠るのが赤ちゃんである。眠っている時は、脳も休んでいるのかと思うが、それでも夢を見たり、ただムニャムニャ言ったりしているし、そもそもシナプスがすごい勢いでできている時期でもあり、脳の活動が完全に止まってしまうとは考えにくい。

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「つながりの変化が示す赤ちゃんの脳の発達のしくみ」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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