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多才な物理学者は野性味あふれる田舎の技術少年

沖縄科学技術大学院大学 物理学・技術科学 新竹積(2)

2016年10月15日(土)

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「量子波光学顕微鏡」の開発チームを率いて物理学の最先端をゆく一方で、小規模な波力発電にも取り組み、自ら「下町の発明家」のように研究を楽しんでいるという新竹積さん。数々の国際的な賞を受賞する、天衣無縫で自由闊達な世界的物理学者の研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=飯野亮一(丸正印刷))

「新竹モニター」や「X線レーザー」などの業績が高く評価され、国内外を問わず多数の受賞歴を誇る新竹積教授。現在は海洋エネルギー発電の開発にも取り組んでいる。

 沖縄科学技術大学院大学(OIST)の新竹積教授は、「量子波光学顕微鏡ユニット」を率いる研究主宰者だ。

 これまで、素粒子実験に使う加速器や、「X線自由電子レーザー」なるものの開発に功績があり、現在では、DNAやウイルスの三次元構造を見ることができる新型顕微鏡や、海の波や海流を使った発電の研究などを精力的に進めている。

 加速器、レーザー、顕微鏡、自然エネルギーによる発電。こう書いてしまうとばらばらだし、顕微鏡と発電は、現在進行形のプロジェクトとして、同じ研究室の中で進めていること自体、頭に「?」が浮かんでしまう。

 それでも、新竹さんの中では実に一貫したつながりがあるようだ。なにかぐっとくるテーマをみつけたら、がしっと掴み、実現していく研究者としての野性味を感じる。

 新竹さんは、自らを、技術をもって科学する「技術科学者」だという。これもまた刺激的な話だ。科学(サイエンス)と技術(エンジニアリング)は、似て非なる部分がありつつも、「科学技術」として世界に変革をもたらしてきた。古い世界観を変えたし、ぼくたちの生活を変え、社会を変えた。そんな「科学・技術」の両輪の順番をひっくり返して、みずから「技術・科学」者と言う新竹さんに注目すると、興味深いことが分かるかもしれない。新竹さんの外から見ると、ちょっとわかりにくい研究履歴の謎も解け、同時に、もっと普遍的なことが垣間見えるかもしれない。

「つもり」の世界

 だから、「技術科学者・新竹積」の誕生から説き起こし、それにつながるかたちで研究を追ってみよう。

 前回、父親に「人間テスター」の役を強いられつつ、農業機械のエンジンを解体修理したことで「スイッチが入った」という話を伺った。就学前、5歳か、6歳の頃だったという。

 その後、新竹さんはどんな道を歩むのか。

 案の定、野性味あふれる田舎の技術少年への道をひた走る。

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「多才な物理学者は野性味あふれる田舎の技術少年」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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