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富士山の噴火を怖がり過ぎずに済む理由

防災科学技術研究所 火山物理学 藤田英輔(3)

2015年10月24日(土)

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阿蘇山、箱根山、御嶽山など、このところ活発化しているように見える日本の火山だが、本当はどうなのか。2011年の東北地方太平洋沖地震の影響は?富士山は?そして、火山についていまどこまで分かっているのか――。地震や地殻変動の観測をもとに地下の現象を解明し、火山防災に取り組み、噴火の予知を目指す藤田英輔さんの研究室へ行ってみた!

(文=川端裕人、写真=藤谷清美)

 火山の観測技術が向上したり、観測手段が増えたりすることで、これまで捉えられなかった予兆を捉えることができるようになった。

噴火未遂を追え

 2015年の口永良部島の噴火では、予兆をとらえ防災にうまく繋げることができた。また、箱根山の活動も、前回みたように詳細にモニターされていて、やはり何かが起きそうなら予兆を捉えられる見込みはかなりありそうだ。

 それがゆえに、興味深い現象を藤田さんたち火山物理学者は、目の当たりにするようになってきている。

「噴火未遂、英語では、failed eruption、失敗した噴火、という意味です。地殻が膨張して、噴火するぞと思っても、途中で止まってしまって、何も出さないで終わってしまうようなやつ。この前の桜島で、レベル4の警報で避難準備というところまで行きましたが、あれ、結局、未遂のまま終わりました。今の火山物理の知識では、なんであそこから止まるんだというものでしたが、これまではああいうものも見逃していたのかなと思います」

桜島の有村観測坑道における傾斜計および伸縮計の変化(2015年8月15日~19日16 時)。8月15日に山体の膨張を示す急激な変動が起きた後、その状態が継続した。「なぜここで止まるのか」というほどの激しい変化だという。(「火山噴火予知連絡会拡大幹事会第10図」:気象庁ホームページより)

 噴火未遂。failed eruption、というのは、物理学らしい言い方かもしれない。噴火は人間の生活上望ましくないので、「噴火回避」「噴火にならずにすんだ」とか言いたいところだが、あくまで、噴火という物理的なプロセスが途中で止まって実現しなかったという意味で、噴火失敗、failedと表現している。今後、噴火未遂のデータがたまると、どんな時に未遂で終わり、どんな時に実際に噴火するのか、理解が深まると期待される。

 噴火未遂の観測では、活性化した活動が、何かの理由で、また収まっていくのを観察することになるわけだが、実は、藤田さんはそれに近いものを研究キャリアの初期から見続けている。

 対象は、なんと富士山!

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「富士山の噴火を怖がり過ぎずに済む理由」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師