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海底に沈む遺跡を究める「水中考古学」に刮目!

東海大学 海洋考古学 小野林太郎(6)

2015年12月26日(土)

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もともと陸の生き物である人類はどのように海洋世界に適応したのか。そして、最後のフロンティアだったポリネシアにどうやって拡散したのか――。海を通じて世界を見渡し、実にスケールの大きな研究を繰り広げる小野林太郎さんの研究室に行ってみた!

(文=川端裕人、写真=藤谷清美)

 小野さんは、2009年に東海大学海洋学部に赴任した。それ以来、従来の海洋考古学に加えて、さらに別の方面へと足を踏み入れている。

大きな「飛び込み」

 これまでは陸上で遺跡を発掘したわけだが、海の底に沈んでいる水中文化遺産の調査研究を始めた。水中考古学とも呼ばれる分野である。

 海辺の遺跡の研究から、今度は海底に沈んでいる文化遺産へ。自分の足で立って歩ける陸地から、海の底の話になるわけだから、言葉で想像するよりも大きな「跳躍」、いや、「飛び込み」であると思う。

「実は、東海大に赴任する前に総長面接があって、直々に「やれ」と言われました(笑)。オセアニアのこともいいんだけど、水中のほうも含めて何かやれと。それまで、水中考古学ってほとんどノータッチだったんですけど、昔、高校時代には結構興味があったんです。ちょうど初年度からいろいろ偶然が重なって始めることができました。国内、それも東海地方での調査です」

 水中考古学というのは、ぼくの個人的な感覚なのかもしれないが、とても心惹かれる響きだ。例えば、エジプト・アレキサンドリアの水没遺跡など発見のニュースを聞いた時には心躍った。歴史のロマンに加えて、どこか神秘的なものを感じるのである。

 日本での調査・研究はどんなふうに展開しているのだろう。

「NPO法人のアジア水中考古学研究所ってご存じですか。そこが日本の水中文化遺産のリストをつくるプロジェクトをやっていました。それ以前に文化庁に登録されていた水中文化遺産って100幾つぐらいで、非常に少なかったんです。日本は何万と遺跡があるのに、水中文化遺産になると本当に一握りしかない。そもそもどこにどんな遺跡があるか調査をする必要があって、私たちは東海地域の調査を担当することになりました。基本的に東海地域を中心に、週末2泊3日とかで休みとかも使って、学生らと一緒にひたすら現地を歩きました」

コメント1件コメント/レビュー

面白かった。同時に海の考古学を「地域割り」で分担しているのに少々違和感を感じた。取り組みが不十分だし,特に沖縄周辺や玄界灘から対馬,壱岐,五島列島,長崎沿岸にはこの国の成り立ちを知らせる貴重な遺産が眠っている可能性がある。宮崎沖から種子島,喜界島あたりは中世までの日本文化の成り立ちに大きな示唆を与える遺物があるに違いない。瀬戸内海は遺物の宝庫だろうし神話の時代から近代までの歴史の舞台だった。丹後,若狭湾から能登にかけての海には古代日本の始まりの物語を書き換えるような発見があるかもしれない。そもそも,1万年くらい前までは海はもっと浅かった。当時の人々がやってきた足跡は水深100m以上の海底に眠っている。日本人がどこから来たか。ぜひ明らかにしてもらいたい。そこに繋がる研究を多くの大学研究機関が連携し,継続して続けていかれることを期待したい。(2015/12/26 09:31)

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「海底に沈む遺跡を究める「水中考古学」に刮目!」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

面白かった。同時に海の考古学を「地域割り」で分担しているのに少々違和感を感じた。取り組みが不十分だし,特に沖縄周辺や玄界灘から対馬,壱岐,五島列島,長崎沿岸にはこの国の成り立ちを知らせる貴重な遺産が眠っている可能性がある。宮崎沖から種子島,喜界島あたりは中世までの日本文化の成り立ちに大きな示唆を与える遺物があるに違いない。瀬戸内海は遺物の宝庫だろうし神話の時代から近代までの歴史の舞台だった。丹後,若狭湾から能登にかけての海には古代日本の始まりの物語を書き換えるような発見があるかもしれない。そもそも,1万年くらい前までは海はもっと浅かった。当時の人々がやってきた足跡は水深100m以上の海底に眠っている。日本人がどこから来たか。ぜひ明らかにしてもらいたい。そこに繋がる研究を多くの大学研究機関が連携し,継続して続けていかれることを期待したい。(2015/12/26 09:31)

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