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オランウータンと「少子化」と「孤独な子育て」

国立科学博物館 オランウータン 久世濃子(1)

2017年1月7日(土)

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東南アジアのボルネオ島とスマトラ島に暮らす“森の人”、オランウータン。群れを作らず、木の上で暮らすため、同じく大型の類人猿であるゴリラやチンパンジーなどと比べると多くの謎に包まれている。そんな野生のオランウータンを研究すべく、自ら調査フィールドを拓き、10年以上にわたり野生での調査を続ける久世濃子さんの研究室に行ってみた!(文=川端裕人、写真=内海裕之)

 オランウータンと呼ばれる動物のことは、小さな子どもでも知っている。

 動物園にもいるし、ネットには動画もたくさん出回っている。絶滅が危惧されている種なので、自然保護関連のニュースで報じられることも多い。

ボルネオ島、ナダムバレイの野生のオランウータン。(写真提供:川端裕人)

 ぱっと見には、「赤茶色の毛におおわれた、大きなお猿さん」だ。

 生息地は東南アジア、ボルネオ島とスマトラ島で、現地の人たちが「森(ウータン)の人(オラン)」と呼んでいたのが語源だとか。

 単にお猿さんというのを超えて、ヒトに近い大型類人猿だから、ぼくらが一番身近に知っているニホンザルよりも、アフリカのゴリラ、チンパンジー、ボノボのほうが近縁である。

 体格といい、なんとなく思慮深げな表情といい、「森の人」という名は的を射ている。そして、とにかく赤ちゃんはかわいい! 抵抗しがたい魅力がある。ほかの大型類人猿についても言えることだけれど。

 そこで、大型類人猿に関心を持った子どもが大きくなり、やがて「オランウータンの研究をしたい!」と志したとする。

 それに対する常識的な助言は、「やめておけ」だ。

それでも、やりたい

 アフリカのチンパンジーやゴリラに比べて、生息地がアジアだから、近くて便利、というふうに思っていると痛い目にあう。なぜか、というのはおいおい語るとして、それでも、やりたい、という猛者はいて、国立科学博物館人類研究部の久世濃子特別研究員は、まさにその一人。

 社会的な立場としては紆余曲折を経ながらも、研究はオランウータンまっしぐら! というキャリアを持つ。ちょうど21世紀になる頃にオランウータン研究を志した久世さんは、飼育下や半野生の研究で、基礎を固めつつ、ボルネオ島で野生のオランウータンの調査地を切り拓き、研究を積み重ねてきた。

ナショナルジオグラフィック2016年12月号でも特集「オランウータン 樹上の危うい未来」を掲載しています。Webでの紹介記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。

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「研究室に行ってみた」のバックナンバー

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「オランウータンと「少子化」と「孤独な子育て」」の著者

川端 裕人

川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

1964年、兵庫県明石市生まれの千葉育ち。日本テレビの記者を経て作家に。『夏のロケット』が第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞、「SFマガジン」で「青い海の宇宙港」を連載中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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