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産業革新機構の本領?宇宙のデブリを一掃せよ

有人ロケット実現の鍵を握る宇宙掃除ベンチャー「アストロスケール」

  • 馬場 未希

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2016年3月17日(木)

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「より遠い宇宙へ」――。そんな人類の夢が、宇宙開発の過程で放置されたゴミで阻まれている。その解決に挑むベンチャー企業が、シャープや東芝への支援撤退で注目された産業革新機構からの出資を獲得した。40年以上も実現していない人類の月への到達へ、道は開けるか。

 1972年、地球から約38万km離れた月に米国が打ち上げたアポロ17号が有人着陸を遂げた。それより後、人類は高度1000kmを超える宇宙に有人ロケットを飛ばしていない。その理由の1つが、宇宙ゴミ(スペースデブリ)だ。

 大気圏外には大小の人工衛星に加え、役目を終えた衛星や切り離されたロケットの残骸、これらがぶつかり合って飛び散った破片などのデブリが浮ぶ。米航空宇宙局(NASA)によると高度600~1000kmの間だけで大きさ10cm以上のデブリが約2万個、確認されている。

 高度によっては、デブリは秒速8kmで地球を周回し続けている。小さい破片でも、宇宙を飛来する衛星などに衝突すれば金属や炭素繊維複合素材を重ね合わせた機体をも貫く。デブリの渋滞を横切り、より高くまで人工物を飛び立たせるのは高いリスクが伴う。有人ロケットの機体が破損する悲劇も起こり得る。破損までは至らなくても、デブリとの衝突で衛星が軌道を外れるケースもある。軌道を外れた衛星が別の衛星に衝突し、連鎖衝突でも起こせば一大事だ。現代社会は放送から通信、GPS(全地球測位システム)、気象予測、航空機や船舶の運航などまでが衛星サービスに依存している。小さなデブリの衝突が、生活に欠かせないインフラのブラックアウトにも直結しかねない。

 そんなデブリを除去する「宇宙掃除ビジネス」のベンチャーが、産業革新機構からの出資を獲得した。シンガポールに拠点を置くアストロスケールだ。3月1日、産業革新機構は同社の第三者割当増資を引き受け、3000万ドル(約34億円)を上限に出資することを発表した。

キャリア20年の機関投資家が「GO」を出した

 アストロスケールの岡田光信CEO(最高執行責任者)が強調するのは「宇宙のゴミは100%、人が起こした環境問題」ということ。「開発の過程で取り残されたゴミを除去し、次の世代が飛び回るであろう宇宙を持続可能な場に戻すのは我々世代の役目」と岡田CEOは話す。

 2018年前半にデブリを除去する衛星の初号機を打ち上げ、2020年までの事業開始を目指す。最終的に200個を除去するのが同社の計画であり、目標だ。「実現に向けてNASAや欧州宇宙機関(ESA)など海外機関と調整を重ねている」(岡田CEO)。産業革新機構からの出資前の2015年には、ベンチャー・キャピタルなどからも資金を調達した。同年4月から東京都墨田区の工場で初号機の製作に着手している。

 「あまりに無謀じゃないか」。リスクのある投資案件だけに「そんな反対も散々受けた。当初は誰も賛成してくれなかった」と、産業革新機構の専務執行役員・戦略投資グループ長を務める土田誠行マネージングディレクターは打ち明ける。

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