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JFEエンジ、「匠の技」をAIに仕込む

ゴミ焼却炉の人材不足を乗り越える方法とは

2017年3月23日(木)

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 「やあ、炉内の様子はどうだい」「窒素酸化物の濃度が増えています。考えられる原因は…」

 ゴミ焼却炉の監視画面に運転員が話しかけると、人工知能(AI)が焼却炉の状況や適切な運転方法などを教えてくれる。そんな話が現実になろうとしている。JFEエンジニアリングは、同社が運転するゴミ焼却発電施設にAIの導入を進める。2017年度中にも試験運用を開始する。

炎の大きさ、色で異常を検知

 発電施設に導入するのは、日本IBMが提供する「ワトソン」と呼ばれるAIである。ワトソンの特徴は、人間が発する言語や人間が見たもの(画像)を解析し、それらの情報を知識として蓄積できるところだ。画像の様子や各種センサーから得られたデータから異常の予兆を見つけ出し、原因や適切な運転方法を助言する。

 AIには、ベテラン運転員のノウハウを習得させる。例えばベテラン運転員は、ゴミが燃焼する際の炎の大きさ、色、燃焼範囲などを見て炉の燃焼状態を把握し、先回りして異常を回避するノウハウを持つ。こうした暗黙知をAIに取り込み、ベテラン運転員のテクニックをいつでも利用できるようにする。

JFEエンジニアリングのリモートサービスセンター(写真:JFEエンジニアリング)

 同社がAIを導入する背景には、ゴミ焼却発電施設の新設需要の伸びは期待できないという現状がある。人口減少やリサイクル率の向上などが要因だ。一方、施設の更新案件で、運営主体である自治体が運用や保守を含めた包括契約を希望するケースが増えている。ゴミ焼却発電施設の運営は20年以上の長期に及ぶため、受注できれば安定収入を確保できる。

 JFEエンジニアリング都市環境本部・戦略技術チームの小嶋浩史氏は、「AI導入でサービス品質向上とコスト削減の両方が可能となる。入札で大きな強みとなる」と話す。

 JFEエンジニアリングは、ゴミ処理施設の遠隔支援拠点である「リモートサービスセンター」を2014年9月に設置し、運用・保守体制を強化した。ここでAIを活用する予定である。現在、国内5施設で遠隔監視を実施しており、2018年度までに海外を含めて10施設に拡大する計画である。

 廃棄物発電による売電収入の向上にも期待する。処理能力が1日当たり100~150tの焼却炉を2つ持つゴミ焼却発電施設の場合、年間の売電収入は2億~3億円になる。AIに発電量を管理させ、電力需要の高まる時期に多く発電することで、3%程度の収入増を見込んでいる。

 ゴミ処理発電施設の国内最大手である日立造船も、来年春をめどにAIを活用した施設の運用を始める予定である。今後、AIの予測精度や使い勝手などが、受注の決め手となりそうだ。

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