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米中が早期批准へ共同声明

パリ協定の読み方(2)、年内発効の可能性も

  • 上野 貴弘/電力中央研究所 社会経済研究所 主任研究員

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2016年5月2日(月)

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 4月22日、「パリ協定」の署名が始まった。2020年以降の温暖化対策を定めたこの条約に、排出大国・米国と中国の他、日本など175カ国・地域が署名した。今後、各国の締結が進み、2016年内に発効すれば、大統領選後の政権交代による協定離脱が懸念される米国も、離脱が難しくなる。電力中央研究所社会経済研究所の上野貴弘・主任研究員が、パリ協定の「読み方」を解説する。

 4月22日、ニューヨークの国連本部で「パリ協定」の署名式が開催され、175カ国・地域の代表が署名した。日本も署名した他、温室効果ガスの排出大国である米国と中国もこの日、署名した。

 米オバマ大統領と中国の習近平国家主席は3月31日、ワシントンでの核安全保障サミット開催に合わせて会談。温暖化対策に関する共同声明を発表し、署名開始の日に両国が署名することを明らかにした。

 同時に両国は、年内に早期に批准(締結)に進む意志を明確にした。共同声明は、米中が他の国に対しても、同様に早期の批准を求めていくと表明しており、日本国内でも今後、パリ協定への批准のタイミングが議論されそうだ。

「パリ協定」が効力を持つには

 パリ協定は現時点では法的効力を持たない。今後、各国が署名と「締結」を行い、一定の要件が満たされると、法的効力を持つようになる(発効する)。

 オバマ政権は、22日の署名後、今年中のできる限り早い時期にパリ協定に締結する見通しだ。米国では通常、国際条約の締結に際して上院の3分の2以上の同意が必要になる。しかし一定の条件の下では議会の同意がなくても、行政協定として大統領権限で締結可能である。オバマ大統領は共和党が優勢な議会の同意なしに、行政権限で締結すると見込まれる。

 中国は、全国人民代表大会の常務委員会で締結の決定を行う。全人代は年に1度、15日ほどの会期しかないが、常務委員会は2カ月ごとに開催される。年内の締結決定は可能だ。

2015年12月パリで開いたCOP21でパリ協定が採択された(写真:UNFCCC)

 各国が必要な国内手続きを経て締結を進め、「締結国数が55カ国以上」かつ「締結国の排出量が世界全体の55%以上」になると発効要件を満たし、その30日後に法的効力が生じる。

 米国と中国の2国だけで、世界全体の排出量の約38%を占める。2016年内に、パリ協定は発効するだろうか。

 全排出量の12%に当たる欧州連合(EU)は、全加盟国の国内手続きとEU全体での手続きが必要で、協定の締結に相当の時間を要する。「2030年に1990年比で少なくとも40%削減」というEU全体の目標を加盟国間に割り振る作業も批准の前に必要だ。そのため、今年中の批准は難しいと予想される。7.5%のロシアは署名式で締結の意思を示したが、その時期は明らかにしていない。京都議定書の批准を2005年まで先延ばしした経緯があり、動きが読めないところがある。

 次いで約4%と排出量が大きいインドは、締結に際して議会の承認を必要としない。そのため、政権が意思を固めれば速やかに締結できると見込まれる。

 これに続くのが3.8%を占める日本、2.5%のブラジル、2%弱のカナダ、韓国、メキシコだ。署名式に際して、カナダ、メキシコ、インドネシア(約1.5%)、オーストラリア(約1.5%)、シエラレオネ(約1%)、アルゼンチン(約0.9%)、カザフスタン(約0.8%)などが今年中に締結する意思を示しており、米中にこれらの国々を合わせれば約50%となる。今年中に55%に達する可能性が見えてきた。

 他方、「55カ国以上」については排出量の小さい国々がカギを握る。マーシャル諸島など太平洋の一部の小島しょ国は必要な国内手続きを完了し、署名後すぐに締結した。執筆時点で15カ国が締結済みである。この動きが広がれば、年内に55カ国に至る可能性もありそうだ。

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