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廃棄物横流し事件、巻き込まれた企業の対応は

ダイコーに残された廃棄物は推定1万5000立方メートル、排出事業者の重い負担

  • 富岡修=日経エコロジー編集

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2016年5月12日(木)

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今年1月、愛知県の産業廃棄物処理業者のダイコーが廃棄食品を不正に横流しするという前代未聞の事件が発覚した。ダイコーの工場や倉庫には約1万5000立方メートルもの食品廃棄物などが残されていると推定される。ダイコーは事実上倒産しており、残された廃棄物の撤去・処理はダイコーに処理を委託していた取引企業(排出事業者)の負担で進められる。なぜ、このような事件が起こってしまったのか。そして今後、「廃棄物リスク」にさらされないためにどのような手を打てばよいのか。排出事業者への緊急調査を基に探った。(この記事は日経エコロジー2016年6月号の記事を再編集したものです)
ダイコーの敷地に残された廃棄物の量は愛知、岐阜、三重の3県で推定1万5000立法メートル。回収の長期化は必至だ

排出事業者に自主回収求める

 ダイコー(愛知県稲沢市)の敷地に残された廃棄食品などは、愛知県内だけで稲沢市に4カ所、一宮市に1カ所の5カ所で合計約8900立方メートルに上ると愛知県の廃棄物監視指導室は推定している。他にも、岐阜県海津市にある2棟の倉庫と、三重県いなべ市にある倉庫にも保管していた。岐阜県廃棄物対策課と三重県廃棄物・リサイクル課によると、各県の保管量はともに3000立方メートルと推定される。これらを合計すると、1万5000立方メートルに上る。

 愛知県は2月29日、ダイコーに対して行政処分である改善命令を出した。廃棄物処理法で定められた上限を超える保管などの違反に対し改善を命じるものだ。

 これを受けてダイコーは3月3日、52社の排出事業者に「処理困難通知」を出した。処理困難通知とは、2011年施行の改正廃棄物処理法に盛り込まれた制度だ。倒産などで事業を継続できなくなった産廃業者が排出事業者に通知する必要がある。この通知を受け取った排出事業者には、産廃業者に代わって環境保全上の措置を講ずる義務が生じる。今回の事件でいえば、排出事業者は委託した廃棄食品をダイコーの保管場所から撤去したり、悪臭や飛散防止の措置を講じたりする必要がある。

 排出事業者による自主回収が既に始まっているが、回収量は少ない。最も回収が進んでいる愛知県内の保管場における回収量は、排出事業者20社で124tにすぎない(4月18日時点)。

 撤去費用も高くつく。「保管場に残された多くの廃棄食品は焼却処分するしかない。腐敗した廃棄食品の運搬が容易でなかったり、塩分が多い廃棄食品だと焼却が難しかったりするなど処分費は安くない。1tにつき約3万~4万円は掛かるだろう」と、千葉県職員で元産廃Gメンの石渡正佳氏は予想する。

 愛知県は、ダイコーから処理困難通知を受け取った排出事業者53社(後に1社追加)に回収を急がせるとともに、新たに撤去すべき廃棄食品が見つかったら、ダイコーに再び処理困難通知を送らせて排出事業者に撤去を求める方針だという。「今のところ排出事業者に対して報告徴収や措置命令などの行政処分を下す予定はない」(愛知県の廃棄物監視指導室)。三重県や岐阜県も同じ方針だ。

 ただ、排出事業者が回収に応じなかったり、排出事業者を特定できない廃棄物が多かったりする場合は、排出事業者に行政処分を下して撤去を進める可能性がある。まずは報告徴収を求めて、その内容に応じて措置命令を出す。処理困難通知を受け取った排出事業者名は非公開だが、措置命令が出ると公表される。

 悪臭など周辺への環境保全の支障が深刻な場合、行政が自ら回収する代執行を実施する可能性もある。その場合、処理費用は一旦は税金などで賄われるが、排出事業者に費用を請求する。社名公表による企業イメージの悪化や撤去費用の負担など、排出事業者が受けるダメージは大きい。

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