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仏電力から「サンタクロース」と言われた起業の原点

仏エナジープールのオリビエ・ボー社長が語るデマンドレスポンス

2016年6月1日(水)

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 日本経済を活性化させるカギの1つが、外資系企業の力だ。

 日本のエネルギー市場の多くが独占市場だったため、外資系企業の参入は少なかったが、電力システム改革が進む中で、新たなビジネスモデルをひっさげて外資系企業が参入し始めた。

 その1つが、仏エナジープールディベロップモンだ。日本ではまだ耳慣れないデマンドレスポンス(DR)という事業を主力としている。

 2015年10月に日経エコロジーがフランスで実施した同社のオリビエ・ボー社長へのインタビューを掲載する。

日本ではまだデマンドレスポンス(DR)という概念が普及していません。DRを主力とする仏エナジープールの事業を教えて下さい。

オリビエ:2008年にフランスでエナジープールディベロップモンを設立し、2010年に仏電機大手のシュナイダーエレクトリックの傘下に入りました。

 主な事業は電力のDRです。フランスを始め、英国やベルギー、トルコ、韓国、カメルーンなどでも事業を展開しています。今は90人の従業員がいて、60人がフランス、30人が海外にいます。

 2016年の売上高は2015年に比べ、2倍になる予定です。営業地域の拡大などによってです。日本市場にも期待しています。

 事業には3つの軸があります。1つはエンジニアリング、2つ目は法規制と市場の設計、3つ目は運用実績です。

 エンジニアリングは技術だけでなく、法的や経済的な部分を含めて、電力会社が競争力を高めるために、需要家がエネルギーの使い方を変えるためのソリューションを提供します。 

 2つ目は、法規制と市場設計で、重要度が高まっています。現在の法規制は発電を前提としているので、DRの普及には新たな法規制が必要になることを各国政府に伝えていくことです。

 3つ目は我々の一番の肝です。DRの日々の運用を提供しています。

 我々は需要家から電気を買って、送電会社や配電会社に供給します。送電会社や配電会社が発電会社にお金を払うように、我々にお金を払います。それを需要家に分配します。

 10~15MWが平均的な需要家で、多くは産業向けの顧客が多いです。需要家は鉄鋼や非鉄、製紙、セメント、食品、病院、データセンターなどです。

 節電可能な総容量は2014年半ばに1GWで、2015年末には2GWに達します。5年間で10GWを超えて世界のリーダーになる目標があります。

仏エナジープールのオリビエ・ボー社長は、デマンドレスポンスで世界のリーダーになることを目指している

 DRとは何か。まず電力会社と電力の需要家の双方と契約を結びます。需要家は生産体制の準備をして、電力会社から節電を要請されたら、使用電力量を抑えます。

 電力会社はこのシステムを調整する当社や工場に報奨金を支払うという仕組みです。 

DRは電力需給の全体にどのようなメリットがあるのでしょうか。

 例えばフランスでは夜に冷えて、暖房需要が増えて電力消費が急増します。この短時間のピークのために、電力会社は発電や送電などの設備を用意していなければなりません。火力発電で賄おうとすれば、莫大な投資が必要になります。

 日本を含めた先進国では電力ピークが極端に大きくなり、そのピークが短時間になる傾向があります。そのため、電力設備の無駄が大きくなっています。

 先進国では国全体の電力消費量は減っているのに、ピークは上がっているため、設備を増やさざるを得ないのです。それは非常に無駄が多いシステムなのです。

 結果として、無駄な設備を多く持つ電力会社の競争力が落ちていくのです。

 ここにDRの必要性があります。

 火力発電所を建設するのではなく、DRを使えば、コストだけでなく、CO2排出量の削減になります。

 フランスのように原発依存度が高い国では、再エネの導入が難しくなっています。ただ、DRを使うことで、再エネを導入しやすくなる効果もあります。日本で原発の再稼働が増えれば、再エネの調整機能としてDRの重要性が高まります。

 送電網はピークに合わせて設備を作りますので、大半の時間においては使われない設備能力を持っていることになります。DRを使えば、送電、配電に係わる設備投資を20~30%削減できます。

 こうした総合的な取り組みで、需要家の電気代を5~25%削減できる可能性があります。

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「仏電力から「サンタクロース」と言われた起業の原点」の著者

大西 孝弘

大西 孝弘(おおにし・たかひろ)

日経ビジネス記者

1976年横浜市生まれ。「日経エコロジー」「日経ビジネス」で自動車など製造業、ゴミ、資源、エネルギー関連を取材。2011年から日本経済新聞証券部で化学と通信業界を担当。2016年10月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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