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朝鮮半島で軍事衝突はない

  • 重村 智計

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2017年4月21日(金)

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金日成生誕記念の軍事パレードを閲兵する金正恩委員長(写真:ロイター/アフロ)

 米国のドナルド・トランプ大統領は4月6日の米中首脳会談で「中国が、北朝鮮を抑えないのなら、米国単独で行う」と述べた。米国が単独でシリアにミサイル攻撃をした直後のこの発言は、米国は北朝鮮を限定攻撃する意向だと受け止められた。攻撃については、4月15日説や25日説が、まことしやかに流されていた。

 しかし、朝鮮半島で軍事衝突や戦争が年内に起きる可能性は極めて低い。トランプ大統領は「中国が北朝鮮の核開発を抑えなければ」と条件をつけており、6回目の核実験をしても米国が直ちに単独攻撃をするわけではない。一方、中国の習近平国家主席は、対北朝鮮向けの石油輸出を禁止すると米国に約束した。北朝鮮の側から仕掛けることも考えづらい。北朝鮮は全面戦争できない国である。

歴史的な石油禁輸の約束

 米ニューヨーク・タイムズ紙は4月13日に「習近平国家主席は、北朝鮮が核実験をすれば石油禁輸に踏み切る、とトランプ大統領に伝えた」と報じた。同紙は、国務省当局者にこの事実を確認した。これは中国の歴史的な決断だ。中国政府系の環球時報も同じ内容を報じている。

 中国が、対北石油禁輸を約束したのは、これが初めてのこと。安倍晋三首相による働きかけの成果といってよいだろう。同首相は2月11日のゴルフ会談で、有効な対北制裁策をトランプ大統領に説いた。

 安倍首相は、北朝鮮向け石油輸出を禁止すれば、同国の軍隊は崩壊し体制を揺さぶることができると説明した。同首相は、米中首脳会談直前にトランプ大統領と電話会談した際にも、対北石油禁輸を習氏に求めるよう改めてアドバイスした。

 トランプ大統領は、4月6日の米中首脳会談で石油禁輸を強く求め、習主席がこれに応じた。トランプ大統領は「金正恩体制の崩壊は目標でない」と明言したと報じられている。

 米中首脳による合意は、米国が「単独限定攻撃」するにはかなり時間がかかる事実を示している。北朝鮮が、核実験かICBM(大陸間弾道ミサイル)に進めば、中国は北朝鮮への石油供給をストップする。それでも、核開発が止まられなければ、米国は核施設への「限定攻撃」を検討する。トランプ大統領は、「中国に感謝している。習近平国家主席を信じている」と発言した。

コメント9件コメント/レビュー

多くの識者は、北朝鮮の目的が体制維持であることを前提として議論しており、重村氏もその例に漏れない。しかし、北朝鮮は、金日成、金正日主義で一色に染められた国家であり、北朝鮮の公刊文書を虚心坦懐に読めば、その国是が「南朝鮮革命による祖国統一」=韓国の赤化統一であることは明白である。この点を無視した立論は、結局、ガラパゴス日本知識人の国内消費向け言説でしかない。(2017/04/21 13:06)

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いただいたコメント

多くの識者は、北朝鮮の目的が体制維持であることを前提として議論しており、重村氏もその例に漏れない。しかし、北朝鮮は、金日成、金正日主義で一色に染められた国家であり、北朝鮮の公刊文書を虚心坦懐に読めば、その国是が「南朝鮮革命による祖国統一」=韓国の赤化統一であることは明白である。この点を無視した立論は、結局、ガラパゴス日本知識人の国内消費向け言説でしかない。(2017/04/21 13:06)

北朝鮮側に立った客観的な分析で、なかなか貴重な情報に見えました。
ただ、タイトルは「北朝鮮には軍事衝突の意思はない」の方が正しいのではないでしょうか?
と言うのも、朝鮮半島有事の可能性について、トランプ大統領の「ロシアと共謀して大統領選挙を行った」疑惑が重要な気がしています。
日本のメディアではあまり扱っていませんでしたが、BBCではこのトランプ大統領の疑惑を重視し、報道していました。恐らく他の海外メディアも同じだったと思います。
また、未だにFBIは捜査しています。
ここでトランプ大統領が手を緩めると、捜査に何らかの動きが出てくるので、時間稼ぎでミサイルくらいは撃ち込むのではないかと邪推してしまいます。
先ずは5月9日まで、近隣での有事であり、非常に気が気でない日々です。
少しでも有事に関する法整備が間に合うことを願って止みません。(2017/04/21 10:09)

氏は、北朝鮮の石油輸入量がここ数年50~70万トンに過ぎないことから北朝鮮は全面戦争できないと楽観しているようだが、採掘する技術がないだけで、北朝鮮本土や近海に豊富な原油資源が埋蔵されていることを失念されているのではなかろうか。
軍隊を動かすだけの石油がないからこそ、北朝鮮としては周辺国を脅かす費用対効果の高いミサイルや核兵器の開発に躍起になるだろうし、北朝鮮の存続が危うくなると困る立場の勢力が、採掘技術開発に手を貸すシナリオも完全には否定できない。現時点では技術者の数的にも稼働可能な発射台の数的にも数発同時発射が限界だろうから、北朝鮮から名指しで狙い撃ちされないようにすることが日本にとっては被害を最小限に抑えるベターな選択肢か。いずれにしても日本にとっては、金正恩を権力の座から引きずりおろして非核化するために粘り強く米国など他国と連携するしかないように思える。(2017/04/21 09:52)

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