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朝鮮半島で軍事衝突はない

  • 重村 智計

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2017年4月21日(金)

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わずか年50万トンの石油

 北朝鮮は、なぜ全面戦争できないのか。同国は「石油最貧国」で、軍隊の石油消費量は世界最低だ。年間の石油輸入量は、中ロの貿易統計やオイル・タンカーの航行記録を確認しても、最大で年間70万トン程度。過去数年は、50万トン前後にとどまる。戦争をしない自衛隊でも、年間150万トンの石油を使用している。全面戦争は、中国とロシアが無制限に石油を供給しない限り不可能なのだ。

 加えて、北朝鮮が使用する兵器は、1960~70年代に装備された旧式だ。米韓の近代兵器には、太刀打ちできない。

 だから、北朝鮮は核兵器開発に踏み切ったのだ。米韓両国が「北は戦争できない」とわかれば、攻撃してくると信じている。それを抑えるために核開発を進めたのだから、北朝鮮軍部には核兵器の開発で譲歩する気はない。

国連総会で演説か?

 「単独攻撃」にかけるトランプ大統領の気をそぐために、北朝鮮に残された選択肢は多くはない。南北対話か米朝対話、日朝交渉の再開、日朝首脳会談の実現しかない。

 北朝鮮は、5月9日に実施される韓国大統領選挙に期待している。革新系の文在寅候補が勝利すれば、直ちに南北首脳会談を呼びかける。投票前に核実験をすれば同候補が落選してしまうから、それまで核実験はしない。

 米国は北朝鮮に対抗し、文在寅候補を落選させるための作戦を展開している。5月9日に向けて緊張を高める意向だ。韓国の内政には一切関与しないふりをする一方で、4月25日頃に空母カールビンソンを朝鮮半島近海に到着させる予定。中国の了解を得て、黄海深くまで航行させると見られる。米朝の軍事緊張を一挙に高め、文在寅候補を落選に導く。

 このような状況において、金正恩委員長が「今年の国連総会で演説してもいい」と述べ、側近たちを慌てさせたという。中国外交関係者が情報源だから、にわかには信じがたい。それでも、金正恩委員長が限定攻撃を回避し、各国首脳の認知を得る打開策を模索している様子はよくわかる。

 習氏は、金委員長の度重なる「訪朝招待」と北京への訪問要請を拒否しており、「それなら国連に行く」と中国に聞こえるように、情報を流したのだろうか。

コメント9件コメント/レビュー

多くの識者は、北朝鮮の目的が体制維持であることを前提として議論しており、重村氏もその例に漏れない。しかし、北朝鮮は、金日成、金正日主義で一色に染められた国家であり、北朝鮮の公刊文書を虚心坦懐に読めば、その国是が「南朝鮮革命による祖国統一」=韓国の赤化統一であることは明白である。この点を無視した立論は、結局、ガラパゴス日本知識人の国内消費向け言説でしかない。(2017/04/21 13:06)

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いただいたコメント

多くの識者は、北朝鮮の目的が体制維持であることを前提として議論しており、重村氏もその例に漏れない。しかし、北朝鮮は、金日成、金正日主義で一色に染められた国家であり、北朝鮮の公刊文書を虚心坦懐に読めば、その国是が「南朝鮮革命による祖国統一」=韓国の赤化統一であることは明白である。この点を無視した立論は、結局、ガラパゴス日本知識人の国内消費向け言説でしかない。(2017/04/21 13:06)

北朝鮮側に立った客観的な分析で、なかなか貴重な情報に見えました。
ただ、タイトルは「北朝鮮には軍事衝突の意思はない」の方が正しいのではないでしょうか?
と言うのも、朝鮮半島有事の可能性について、トランプ大統領の「ロシアと共謀して大統領選挙を行った」疑惑が重要な気がしています。
日本のメディアではあまり扱っていませんでしたが、BBCではこのトランプ大統領の疑惑を重視し、報道していました。恐らく他の海外メディアも同じだったと思います。
また、未だにFBIは捜査しています。
ここでトランプ大統領が手を緩めると、捜査に何らかの動きが出てくるので、時間稼ぎでミサイルくらいは撃ち込むのではないかと邪推してしまいます。
先ずは5月9日まで、近隣での有事であり、非常に気が気でない日々です。
少しでも有事に関する法整備が間に合うことを願って止みません。(2017/04/21 10:09)

氏は、北朝鮮の石油輸入量がここ数年50~70万トンに過ぎないことから北朝鮮は全面戦争できないと楽観しているようだが、採掘する技術がないだけで、北朝鮮本土や近海に豊富な原油資源が埋蔵されていることを失念されているのではなかろうか。
軍隊を動かすだけの石油がないからこそ、北朝鮮としては周辺国を脅かす費用対効果の高いミサイルや核兵器の開発に躍起になるだろうし、北朝鮮の存続が危うくなると困る立場の勢力が、採掘技術開発に手を貸すシナリオも完全には否定できない。現時点では技術者の数的にも稼働可能な発射台の数的にも数発同時発射が限界だろうから、北朝鮮から名指しで狙い撃ちされないようにすることが日本にとっては被害を最小限に抑えるベターな選択肢か。いずれにしても日本にとっては、金正恩を権力の座から引きずりおろして非核化するために粘り強く米国など他国と連携するしかないように思える。(2017/04/21 09:52)

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