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北朝鮮の核実験、カギは「最終確認した」の文言

  • 重村 智計

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2016年9月13日(火)

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北朝鮮の核実験に抗議する韓国の市民(写真:AP/アフロ)

 北朝鮮は9月9日に5回目の核実験をし「核弾頭の性能と威力を最終確認した」と発表した。この日は、同国の建国記念日であった。国連の安全保障理事会は直ちに、「(この核実験は)安保理決議違反で、平和と安全を脅かす」との非難声明を発表した。中国も同意する異例の迅速な対応であった。安保理は、「追加の制裁措置を協議する」ことも明らかにした。「石油の全面禁輸」が最も効果的だが、中国は反対してきた。

中国の責任だ

 北朝鮮に対する経済制裁は効果がないとの主張がある。だが、真実はそうではない。ミサイルや核兵器関連技術への規制や、北朝鮮要人と組織の資産凍結、ドル送金禁止などは、それなりの効果があった。北朝鮮の外貨収入は激減し、石油輸入も減少した。ただし、より大きな効果を期待できる安保理制裁には合意できなかった。

 中国は厳しい制裁に反対し、常に北朝鮮との対話を求めてきた。北朝鮮は「核を放棄しない」方針であるのだから、中国の行為は核開発を助けることになった。中国の責任は大きい。

 北朝鮮の核開発を止めるには、何をすべきだったのか。(1)核施設を限定攻撃(2)石油の全面禁輸(3)全面金融制裁(ドル、ユーロ、元と円などの送金禁止)――を行えば、北朝鮮はたちまち干上がったことだろう。こうした厳しい措置に踏み切れなかったために、「核実験しても、国連はたいした制裁はできない」との確信を北朝鮮に与えてしまった。核施設への軍事攻撃は不可能だろうが、その決意を示すことはできたはずだ。

核開発を進めるのは、軍隊が戦争できないから

 北朝鮮はなぜ、国際社会の意向に挑戦し、ミサイルを発射し、核実験を続けるのか。中国でのG20首脳会議や米国の関心を引くためとは思えない。その理由の大半は北朝鮮国内の事情である。

 金正恩委員長は、「軍優先政治」をやめた(関連記事「北朝鮮、軍優先を転換する“親政クーデター”」)。これに軍部は不満だ。それを抑え、米韓に攻撃される脅威への抑止力を確信させ、指導者の権威を確立しなければならない状況に追い込まれている。30代前半の“若造”が、軍を掌握するのは並大抵の仕事ではない。

 北朝鮮は、9月2日まで行われた米韓合同軍事演習の中止を強く求めた。また春の米韓合同軍事演習の前にも演習中止を強く求め、「軍事境界線での銃撃戦」や「開場工業団地への韓国人職員の出入り禁止」などの事件を起こした。たかが演習の中止に、必死の対応をしてきた。

 故金日成主席は、日本財団の笹川陽平会長と90年代初めに会見した際、「米韓が米韓合同軍事演習を口実に、我が国を攻めるのではないかと、危惧している。そのため、我が国も同じ規模の演習を行うが、石油や兵器の消耗は予想以上だ。負担が余りにも大きく演習後には軍が疲弊する」と語っていた。

 つまり、米韓合同軍事演習が行われると、北朝鮮軍の石油備蓄が激減し、兵器と兵員も相当に消耗する。だから、やってほしくないという。

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