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国民の“虎の子”年金資産を「海外インフラ」へ

GPIFの新投資は「安全かつ効率的」か?

2017年3月17日(金)

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公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)理事長・高橋則広氏。2016年4月の就任時の会見。(写真:ロイター/アフロ)

GPIFが「海外インフラ投資」に本腰

 国民の年金資産を預かるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に対する関心が、急速に薄れている。株価の下落で多額の損失が発生した際には、新聞や週刊誌、テレビなどで大きく取り上げられたが、株価が戻してGPIFに多額の利益をもたらすと、ほとんど報道では取り上げられなくなった。

 そんな国民の関心が薄れる中で、GPIFが新しい分野への投資に本腰を入れ始めた。発電や送電、ガスパイプライン、鉄道といった海外のインフラストラクチャー(インフラ、社会資本)に投資する「インフラ投資」だ。すでに日本政策投資銀行(DBJ)、カナダ・オンタリオ州公務員年金基金(OMERS)と共同投資協定を締結。「適切な投資案件が選定された際に、GPIF も資金を拠出する」としている。

 海外のインフラ投資にのめり込もうとしているGPIF。同法人の運用の基本は「安全かつ効率的な投資」だ。果たして、海外インフラは安全で効率的な運用先なのだろうか。

「トランプ政権との関係強化のため」との報道

 2月2日、日本経済新聞はこう報じた。「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が米国のインフラ事業に投資することなどを通じ、米で数十万人の雇用創出につなげる。対米投資などで米成長に貢献できる考えを伝え、トランプ政権との関係強化につなげる」というのである。

 これに対してGPIFは同日、高橋則広理事長のコメントを出した。「本日、一部報道機関より、当法人のインフラ投資を通じた経済協力に関する報道がなされておりますが、そのような事実はございません。GPIF は、インフラ投資を含め、専ら被保険者の利益のため、年金積立金を長期的な観点から運用しており、今後とも、その方針に変わりはありません。なお、政府からの指示によりその運用内容を変更することはありません」

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「国民の“虎の子”年金資産を「海外インフラ」へ」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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