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東芝の原子力幹部に届いた「直訴状」

政府が優先すべきは原子力技術者の確保だ

2017年6月23日(金)

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米ウエスチングハウスが関わる、米ジョージア州ボーグル原子力発電所3/4号機建設現場。原発の建設だけでなく維持運営についても技能伝承が課題だ。(写真:2017 Georgia Power Company)

 経営危機に直面している東芝から、次々と原子力技術者が去っている。「会社」を存続させるため、半導体メモリー事業の売却に経営陣や政府が躍起になっている間に、肝心の原子力部門が静かに崩壊を始めているのだ。東芝の原子力部門は東京電力福島第1原子力発電所の汚染水処理や廃炉で中心的な役割を担ってきた。そこからの人材流出は、国民の生命に直結する事故処理の大きな支障になりかねない。

 東芝は6月21日、半導体メモリー事業の売却交渉で、官民ファンドの産業革新機構を軸とした「日米韓」連合と優先的に交渉すると発表した。同日午前に開いた取締役会で決議した。日米韓連合には、産業革新機構と日本政策投資銀行、米投資ファンドのベインキャピタル、そして韓国半導体大手のSKハイニックスが加わる。

 報道によると、「日米韓連合」は優先交渉権を得て、東芝の半導体メモリー子会社を買収するための特定目的会社(SPC)を設立。産業革新機構と政策投資銀行が各3000億円、ベインキャピタルが8500億円を出資するという。ベインキャピタルの出資額のうち4000億円をSKハイニックスが融資、三菱東京UFJ銀行からも5500億円の融資を付けることで、東芝が望んでいる「2兆円」の買収資金を確保する見通しだという。

 事態は流動的だが、東芝は6月28日に開催する定時株主総会までに最終合意し、2018年3月までの売却完了を目指すとしている。

「付け焼き刃」に終始する経済産業省

 日米韓連合の組成には政府・経済産業省の意向が大きく働いた。だが、国が設立して税金も投入されている産業革新機構を使うにもかかわらず、政府は、東芝を建て直すための全体像も、半導体や原子力などの産業を今後どうしていくのか、という産業政策も持ち合わせていない。付け焼き刃の対応に終始しているのだ。

 政府が主導して半導体メモリー事業の買収受け皿を用意したのは、決して「東芝を守る」ことが目的ではない。もともと経産省は東芝問題に尻込みしていた。粉飾決算が表面化して経営陣が入れ替わった後、2016年3月末に医療機器事業を売却したあたりまでは「東芝救済」に動く経産省幹部もいたが、同年末に米原子力事業での巨額損失が発覚すると経産省の動きは止まった。

 もともと、東芝が米原子力大手ウエスチングハウスを買収する過程で、経産省幹部が深く関与しており、「経産省の責任」を問われるのを恐れたからだ。買収当時に担当課長だった現職幹部は、東芝について一切口にしなくなった。

 そんな経産省が半導体事業の売却について口を出し始めたのには1つのきっかけがあった、と官邸関係者は言う。

コメント19件コメント/レビュー

全てが全く持ってナンセンス。この国にはプロが居ないのを全世界にばらしちゃったとしか言えない。
東芝のFメモリが国家戦略上絶対死守しなければならないなんて経済界が言っていること事態が時代遅れであり、全く先が読めない能無しだということ。もはや老害でしかない。現在のFメモリなんて5年後には陳腐化して重要なビジネスではなくなるだろう。同業他社を始め国民からすれば、原発を持つ東芝を救う為に、殆ど価値の無いメモリに公金を投入するなどもってのほかである。
WDとの契約についても東芝側の勝手な判断なので、裁判になれば勝てる見込みは無い。
原発も政府はローコストで安定的なベースロード電源と言っているが、これも全くナンセンスで、何も分っていない、か、あえて隠している。今や原発はコスト高のお荷物でしかない。ローコストに見せたい政府が数字を操作しているだけ。特に福島のような大規模事故の費用は最初から1円も算定されていないし、廃炉費用、核燃料保管、核燃料移動費用は相当低く見積もられて(昔の数字そのまま)いる。原発予算をそのまま再生可能エネルギー費用に回せれば、安定運用は短期間で達成可能だ。太陽電池、風力発電、地熱発電、水力発電(もともとピークシフトは夜間電力を使った揚力発電だった)、潮力発電、そして送電制御、技術的には全て実現可能であり、あとは適切に投資して設備を整えて運転できるようにすれば良いだけの話。原発誘致自治体は補助金で成り立っている?その甘えこそ人として不自然だろう。(2017/06/26 16:49)

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「東芝の原子力幹部に届いた「直訴状」」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

全てが全く持ってナンセンス。この国にはプロが居ないのを全世界にばらしちゃったとしか言えない。
東芝のFメモリが国家戦略上絶対死守しなければならないなんて経済界が言っていること事態が時代遅れであり、全く先が読めない能無しだということ。もはや老害でしかない。現在のFメモリなんて5年後には陳腐化して重要なビジネスではなくなるだろう。同業他社を始め国民からすれば、原発を持つ東芝を救う為に、殆ど価値の無いメモリに公金を投入するなどもってのほかである。
WDとの契約についても東芝側の勝手な判断なので、裁判になれば勝てる見込みは無い。
原発も政府はローコストで安定的なベースロード電源と言っているが、これも全くナンセンスで、何も分っていない、か、あえて隠している。今や原発はコスト高のお荷物でしかない。ローコストに見せたい政府が数字を操作しているだけ。特に福島のような大規模事故の費用は最初から1円も算定されていないし、廃炉費用、核燃料保管、核燃料移動費用は相当低く見積もられて(昔の数字そのまま)いる。原発予算をそのまま再生可能エネルギー費用に回せれば、安定運用は短期間で達成可能だ。太陽電池、風力発電、地熱発電、水力発電(もともとピークシフトは夜間電力を使った揚力発電だった)、潮力発電、そして送電制御、技術的には全て実現可能であり、あとは適切に投資して設備を整えて運転できるようにすれば良いだけの話。原発誘致自治体は補助金で成り立っている?その甘えこそ人として不自然だろう。(2017/06/26 16:49)

>廃炉には確実な需要があるので、他社か新興会社に任せれば対応可能でしょう。確かに東芝にだけ拘る必要はありませんが、少なくとも東芝の設計、製作した部分については東芝に面倒を見てもらわないといけないのです(他社に原発部門を売っても売られた原発部門が行う)。普通の発電所やプラントを廃棄する場合はそこまででは無いですがこと原発だと放射性物質と放射線の問題があり簡単ではありません。配管1つ見ても高レベルから低レベルまで色々放射線レベルが異なりそのようなものが原発中蜘蛛の巣状態です。大まかには分かっていても一つ間違えれば作業員が大きな被曝に晒されて命の危険もあります。東海村の最初の原子炉を廃炉までもっていくのに10年余り要したと記憶していますが設計図が一部廃棄されていたり改修されていたりで図面と違っている等で全体像が完全につかめない中手探りでチビチビと解体していったと聞いています。特に古い原発程元請会社の情報が重要なのです。これは図面だけでなく実際に携わった人間も含めてです。これがあるかどうかで10年単位で廃炉工程が変わると思います。作業の長期化、費用の高騰を招かない為にも自分で作った原発は自分の所が主体となって廃炉を行う事が肝要。重機でドカドカ壊すだけでは無いので厄介なんです。それと確実な需要があるだけでは人は集まりませんよ。危険な作業なのだから金は当然、やる気と技術のある人でないと。他に安全で魅力的な仕事があればそちらに行くでしょうから。(2017/06/26 14:28)

>「廃炉に際して原子力技術者が必要」単純に建物を壊すだけの話ならその通りと言えるが物が原子炉や各関連施設ならそれだけでは済まない。もっとも最初から核関連施設の廃棄だけを目的として養成するなら核関連技術が半分、廃棄技術が半分でも良いかも知れないがそれでも入社して数年間は社内の教育機関でみっちり勉強してからでないと配属できない程専門的。そう言う事も含めて核技術が危険で厄介な所でもある。手っ取り早いという意味では原発設計開発していた技術者が廃炉の為の技術を開発するのが一番効率的と言うこと。なのに転職や転置で核や原発から完全に離れた関係ない職種に就職されたらそれだけで貴重な技術が失われているとも言える。(2017/06/26 14:03)

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