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東芝不正会計問題、監査法人は本当に「騙された」のか

いずれ浮上する「関係」の中身

2015年7月31日(金)

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東芝の不正会計問題に関連して、日経ビジネスオンラインでは企業のコンプライアンス(法令遵守)についてアンケートを実施しています。通常の方法では達成不可能な業務目標(チャレンジ)が強制されてきた東芝と同様な経験をお持ちではないでしょうか。率直なご意見をお聞かせください。

回答はこちらから(アンケート回答サイトが開きます)

写真:アフロ

 なぜ歴代経営者が利益の「かさ上げ」を指示してきたのか、それに対して監査法人はどんな対応をしてきたのか。東芝の不正会計問題で、同社が設置した第三者委員会が出した報告書は、ほとんど肝心なことに答えていない。さらに謎が深まったと言ってもよいだろう。

 歴代トップ同士の権力争いが利益かさ上げに結び付いたとか、相手を陥れるために証券監視委員会に内部告発した、といった話は聞こえてくるが、そもそも権力闘争だけで、長期にわたって組織的に巨額の金額の利益をかさ上げするのは極めて不自然である。何か、そうせざるを得ない理由があると考えるのが普通だ。

 さすがに大手メディアもその不自然さに気づき始めた。2006年に買収した米ウエスチングハウスに関連して「のれん」の償却や、繰り延べ税金資産の取り崩し問題が背景にあったのではないか、という報道が出始めている。つまり、会計処理が会社の命運を左右していた、というわけだ。

 そうなると問題になるのは監査法人である。独立した立場で東芝が作る決算書が正しいかどうかお墨付きを与えるのが役割だ。ところが第三者委員会の報告書を読んでも、今回の不正問題で監査法人がどんな役回りを演じたのか、ほとんど見えてこない。

東芝を責めない監査法人トップ

 日経ビジネスオンラインのインタビューで、コーポレートガバナンス問題の第一人者である久保利英明弁護士は、第三者委員会の報告書を「落第点」と切り捨てたうえでこう指摘している。

 「今回のケースでは、新日本監査法人は東芝に『だまされた』か『グルだった』かのどちらかだ。『無能』であるなら話は別だけど」

 さすがに職業専門家である弁護士の久保利氏が監査法人を「無能」呼ばわりするのは適切でないと考えたのだろう。ならば、監査法人は被害者か共犯者のいずれかだ、と久保利氏は断定しているのだ。

 これを新日本監査法人のトップにただしてみた。すると煮え切らない答えが返ってきた。「騙されたという部分もあるだろうし、我々の力不足だったと反省しなければいけない部分もあるだろう」というのだ。さすがに、「グルだ」という点に付いては否定したが、東芝を強く責めるそぶりはない。

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「東芝不正会計問題、監査法人は本当に「騙された」のか」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師