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ついに40兆円突破、医療費の膨張止まらず

最大の「岩盤」打破に安倍首相の覚悟が問われる

2015年9月11日(金)

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医療費が膨張を続けている(写真:アフロ)

 ついに年間の医療費の総額が40兆円を突破した。厚生労働省が9月3日に発表した2014年度の概算医療費は、前の年度に比べて1.8%増加、40.0兆円に達し、過去最高額となった。最高額の更新は12年連続。概算額は正確には39兆9556億円だが、これには労災や自由診療などの医療費は含まれていないため、確定値では年間の医療費が初めて40兆円を突破するのが確実になった。

 相変わらず目立つのが高齢者の医療費増加。医療費全体の36%を占める75歳以上の医療費は2.3%増えた。前の年度の3.7%増に比べると伸び率は鈍化しているが、75歳未満の伸び率(1.5%増)と比べると依然として高い伸びが続いている。

 人口の高齢化に伴って高齢者の医療費が増えるのは仕方ない面もあるが、その金額を知ると驚く。75歳以上の人が前年度に使った医療費は1人当たり平均で93万1000円に達するのだ。75歳未満は21万1000円だから何と4倍以上である。65歳以下の現役世代はさらに少ない医療費しか使っていない。終末医療を含め、高齢者への医療のあり方が問われて久しいが、ひとり当たりで見ても増加が止まらないのだ。

 すでに36%と医療費全体の3分の1以上を占めるようになった75歳以上の医療費がこのまま増え続ければ、健康保険や国の財政を大きく揺るがす。高齢者の医療費は自己負担率が低く、もろに保険収支を直撃するからだ。

 なぜ、医療費の伸びを止めることができないのか。

調剤医療費の伸びが異常に高騰

 「調剤医療費の伸びが異常に高い」--。9月9日に開かれた中央社会保険医療協議会の総会ではそんな声が挙がったという。確かに調剤費の伸びは2.3%増と、診療費の1.6%増を上回っている。

 実は、医師会からも調剤費を「問題視」する声が強まっている。遂に医師の間からも高齢者への無駄な投薬を反省する声が出始めたのかと思ったら、どうも話が違う。医師会が問題にしているのは院外薬局の調剤技術料が増加している点なのだ。院内で処方する方が技術料を節約できるという主張なのだ。

 周知の通り、かつて薬は院内の薬局で処方されるのが普通だったが、病院がそれを収益源とすることで、医師が患者を薬漬けにしてしまうという批判が高まり、「医薬分業」の徹底が図られた。患者が処方箋を持って病院から独立した院外の薬局に行って薬をもらうようになったのである。

 もちろん、病院前に関係の深い「門前薬局」を置いて形だけ分業にしているところも少なくないという批判もあるが、一方で大手の調剤薬局チェーンなどが勢力を拡大したのも事実。医師会の主張はこうした調剤薬局が儲けすぎているというものなのだ。

 調剤薬局チェーンの杜撰な投薬管理などが表面化するなど、こうした主張にも一理あるとの声がある。一方で、「院内処方に戻して、利権を再び手にしたいだけ」という見方もある。

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「ついに40兆円突破、医療費の膨張止まらず」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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