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特区活用し、農業分野で外国人の受け入れ検討へ

人手不足背景に、地方のニーズが後押し

2016年10月7日(金)

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政府は「国家戦略特区」を活用して、農業分野で外国人材の受け入れを解禁する検討に入る。出身国で一定の実務経験を持つ専門人材に限り受け入れるなどといった条件をつけるとみられる。

安倍首相が方針示す

 農業分野での外国人労働者の受け入れが本格的に動き出す。

 政府は10月4日、首相官邸で国家戦略特区諮問会議を開き、外国人人材の受け入れなどで特例適用を要望している秋田県大潟村の髙橋浩人村長や秋田県仙北市の門脇光浩市長らの提案を聞いた。議論を受けて議長を務める安倍晋三首相は、「次期国会への法案提出を視野に、実現に向けた議論を加速する」と述べ、特区を使って外国人労働者の受け入れを農業分野にも拡大していく方針を示した。

 少子高齢化の進展で、地方における農業分野での人手不足は急速に深刻化している。これまでは技能実習制度などで農作業を担う外国人を受け入れてきたが、そうした“便法”では賄い切れなくなっており、本格的に外国人を労働力として受け入れるべきだという声が強まっている。

海外の農場経営事情にも通じた、大潟村の大規模農家

 大潟村は八郎潟の干拓で生まれた広大な農地を持ち、日本における大規模農業のモデルとなってきた地域。これまではコメ作りが中心だったが、米価の低迷などもあり、より収益性の高い野菜や花きなどへの転換が課題になっている。ところが、大潟村周辺5市町の人口は2000年の8万6000人から2015年には6万6000人にまで減少しており、大潟村の農業を担う人手は今後、急速に減少していくとみられている。

 一方で、大潟村の大規模農家は米国への留学経験を持つ人も多く、農場経営の近代化に意欲的。欧米で当たり前になっている外国人の季節労働者の受け入れなどが、今後の日本での農業生産拡大には重要になって来るという思いが背景にあるようだ。

 髙橋村長は諮問会議で、「技能実習」ではなく、受け入れが認められている「専門人材」の分野を、特区内に限って農業にも適用拡大することで、農業分野での外国人労働者の受け入れを拡大していくべきだ、とした。

仙北市は温泉地での外国人医師の診療行為解禁を準備

 同じ秋田県の仙北市はすでに「国家戦略特区」に指定されており、温泉地での外国人医師による診療行為の解禁に向けた準備を進めている。仙北市内には湯治場として有名な玉川温泉などがあり、温泉の療養効果の実証などに向けて来年6月には国際会議などを予定している。同様に、外国人人材に対する規制緩和を求めている。

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「特区活用し、農業分野で外国人の受け入れ検討へ」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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