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地方創生のカギ握る、森信親長官の「地銀処理」

新体制で金融庁が重い腰を上げた

2015年10月9日(金)

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(写真=ロイター/アフロ)

 安倍晋三首相は10月7日に内閣を改造し、第3次安倍改造内閣が発足した。「経済最優先」に政策の軸足を移すとしているが、来年7月の参議院議員選挙を控えて、中でも「地方創生」が大きな政策の柱になる。地方創生を担う担当大臣には石破茂氏を留任させた。清新さはないものの、継続性を重視し、着実に成果を挙げることを期待したためだろう。地方創生相は国家戦略特別区域担当も兼ねており、アベノミクスの改革の成否を担っている。

 雇用の創出や賃金の上昇などアベノミクスの効果が出始めているとはいうものの、まだまだ潤っているのは大都会の大企業だけで、地方経済は疲弊しているという声は根強い。それだけに「地方創生」で成果を挙げ、地方経済を復活させることは安倍内閣にとって必須課題と言える。

 そんな中で、実は「地方創生」にとって大きなカギを握っている問題がある。地方銀行問題だ。

 経済はおカネが循環してはじめて活性化する。その心臓、つまりポンプの役割を担うのが金融機関だ。銀行が収益力のある企業に貸し付け、その企業が事業投資を行って成長することで地域経済も発展していくのだ。ところが、今の地銀は“死に体”状態に陥っているところが少なくない。これをどう処理し、立て直していくのかが大きな問題として横たわっている。

 というのも、地銀は地域企業の盟友として地域の代表的な企業に資金を貸し込んでいるケースが多い。これに地方自治体や首長、地方議員もからみ、古い利権構造を温存しているのだ。政官業の「鉄のトライアングル」が日本の構造転換を阻んでいると批判されたが、それとそっくりのミニ構造が各地に根を張っているのである。

 その中心にいるのが地銀なのだ。民主党政権時代の「モラトリアム法」の余韻もあり、将来性のない企業に多額の貸付金が固定化する状況が続いている。これをどうやってほぐし、地銀に金融機関としての金融仲介機能を復活させるのかが、地方経済再生のひとつの大きな根幹なのだ。

 地銀の監督官庁は金融庁である。金融庁も長い間、問題の所在については十分に分かっていたが、踏み込めずにきた。地銀を再編させるのが手っ取り早い方法なのだが、預金に対する貸し出しの比率、つまり預貸率が低い地銀は、目いっぱい国債を購入していることが多い。

 合併を推進すれば国債の売りを誘発する可能性もあり、財務省出身者の多い金融庁の幹部は二の足を踏んできた。歴代の金融庁長官は問題を認識しながら、手を付けずに先送りしてきたのだ。

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「地方創生のカギ握る、森信親長官の「地銀処理」」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師