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郵政上場という「錬金術」に、政府の高笑い

政治のリーダーシップで完全民有化の議論再開を

2015年11月6日(金)

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(写真:ロイター/アフロ)

 日本郵政グループ3社の株式が11月4日、東京証券取引所に上場した。日本郵政は売り出し価格1400円に対して1631円の初値を付けた後も買われ、初日の終値は1760円となった。傘下のゆうちょ銀行は売り出し価格1450円に対して初値は1680円(初日終値は1671円)、かんぽ生命は売り出し価格2200円に対して初値が2929円(同3430円)と、いずれも売り出し価格を大きく上回った。

 終値ベースで3社の時価総額を単純合算すると17兆4975億円。1987年に上場したNTT以来の大型株式公開は、予想以上の“成功”を収めたと言っていいだろう。だが、親会社と傘下の子会社2社が同時に上場するという「いびつさ」を忘れてはいけない。今後、このいびつな構造が3社の経営にとって大きな「くびき」になっていくことは間違いないからだ。

「異例の親子上場」の先にあるもの

 新聞各紙は「異例の親子上場」とは書いているが、それ以上の論評はほとんど加えていない。上場前の段階で、日本郵政株45億株は100%政府が保有、さらに日本郵政はゆうちょ銀行株45億株とかんぽ生命株6億株の100%を保有していた。上場後の時価総額(それぞれの株数に株価をかけたもの)は、初日終値ベースで、日本郵政が7兆9200億円、ゆうちょ銀行が7兆5195億円、かんぽ生命が2兆580億円ととなった。

 当然のことながら、日本郵政は傘下2社の株式の大半を保有し続けている。つまり日本郵政の株式価値には本来、傘下2社の価値が含まれているわけだ。にもかかわらず、日本郵政の時価総額よりも、子会社2社の合計時価総額が大きくなった。論理的には親会社を買収して子会社株をすべて売却すれば、親会社がタダで手に入ってしまうことになる。摩訶不思議な状況になったのである。

 日本では古くから親子上場が認められてきたが、欧米の市場ではほとんどみられない。新聞が「異例」と書く理由はそこにある。親会社が生殺与奪を握る子会社が上場するのは論理矛盾だと長年指摘されており、東証も親子上場には慎重姿勢を取ってきたはずだった。それが今回は、何の議論もなく、親子上場をすんなり認めている。

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「郵政上場という「錬金術」に、政府の高笑い」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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