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戦後最長の通常国会、議論は低調

データから明らかになる国会の内実

2015年12月4日(金)

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 9月に閉幕した今年の通常国会(第189回国会)は、大幅な会期延長の結果、245日間という戦後最長の通常国会だった。では、その長い会期に見合った充実した審議が行われたのだろうか。非営利の任意団体「国会議員の活動データを集積する会」が国会ごとに集計している「質問時間」や「質問回数」を基に分析してみた。

 衆議院での質問時間の総計(討論や趣旨説明、議事進行などを除く純粋な質問答弁時間)は7万582分(1176時間22分)と、2014年の通常国会(186国会)の6万6390分(1106時間30分)に比べて増加をした。

 もっとも、2014年通常国会の会期は150日間で、今年は会期が95日も長かったにもかかわらず、質問時間は4192分(69時間52分)増えただけで、会期の長さに見合った充実した審議が行われたとは言い難い状況が浮かび上がった。集団的自衛権を容認する安全保障関連法案など重要な法案の審議が多かったにもかかわらず、安保関連法案の審議方法を巡って与野党が対立するなど、国会が空転する局面も多くみられたためだ。

 「質問回数」をみると、この傾向は歴然だ。今年の通常国会での衆議院議員の質問回数総数は2274回。いずれも会期が150日だった2014年通常国会の2482回や、2013年通常国会の2357回を下回った。

自民は民主の半分以下

 一方、参議院での「質問回数」総数は2401回と衆議院を上回った。過去の参議院での質問回数と比べても、2014年通常国会の2108回や2013年の通常国会の1366回に比べて大きく増えている。自民党が絶対多数を占める衆議院に比べて、勢力が拮抗する参議院の方が回数ベースでみる限り、積極的な国会論戦が行われたようだ。

 衆議院での質問時間を、政党別にみると、最も長いのが民主党で、2万7489分(458時間9分)、次いで維新の1万7960分(299時間20分)、共産が1万644分(177時間24分)だった。

 自民党は7668分(127時間48分)、公明党は5329分(88時間49分)で、与党を合わせても215時間にしかならず、民主党の半分以下にとどまる。これは国会の慣行で与党よりも野党に質問時間を多く割り振ることになっているためだ。政府と与党は一体という考え方がベースにあるわけだ。

 もちろん、与党の中にも法案に様々な意見を持っている議員はいるわけだが、それは法案を提出する前の自民党内での議論で決着が付いているという建前だろう。国民からみると、国会というオープンな場ではなく、党の政務調査会など密室で決まっているという印象を受ける。

 まして、圧倒的な多数を与党が握っている衆議院では、国会に法案が出された時点で決着が付いていることになってしまうだけに、国会が形骸化しているようにさえ見える。

 衆議院の「質問回数」を政党別に見ると、369人の議員(会期中在籍した議員の総数)が活動した自民党が合計で331回だった。自民党議員のうち130人が質問回数がゼロだが、これは大臣や副大臣といった政府の役職に就いたり、議長や委員長といった国会の役職に就いている人が多いためで、基本的に質問側ではなく、答弁側に回っている議員が多いことを示している。

コメント2件コメント/レビュー

もっと議論の中身について分析した方が良い。
審議時間が足りないから審議拒否する野党、クイズにうつつを抜かし、質問ではなく自分の意見を開陳するだけの野党議員、官僚を疲弊させることが目的としか思えない空虚な質問趣意書…国会中継を(マスコミの編集無しに)見れば、野党のあまりの低レベルさにめまいがするほどだ。
あれで批判もされず本稿のように質問時間だの趣意書の数だので評価する連中がいるから、いつまでたってもまともな野党が成長してこないのだ。(2015/12/04 17:44)

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「戦後最長の通常国会、議論は低調」の著者

磯山 友幸

磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

ジャーナリスト。1962年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞で証券部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め2011年3月末に独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

もっと議論の中身について分析した方が良い。
審議時間が足りないから審議拒否する野党、クイズにうつつを抜かし、質問ではなく自分の意見を開陳するだけの野党議員、官僚を疲弊させることが目的としか思えない空虚な質問趣意書…国会中継を(マスコミの編集無しに)見れば、野党のあまりの低レベルさにめまいがするほどだ。
あれで批判もされず本稿のように質問時間だの趣意書の数だので評価する連中がいるから、いつまでたってもまともな野党が成長してこないのだ。(2015/12/04 17:44)

1)國会閉会中の審査会(○○委員会)を開会、審議や質疑応答したことになる、これで議員歳費が出るなら通常国会の数百人の議員はいらないということの証左になる。2)軽減税率の議論の中で気付かされた― 与党の胴元はそれだけの理由ではないと宣うが、税率対象品の細分化は事後処理事務の複雑化につながるのと、何より税収の減収が見通されるからできるだけ簡潔にしたいとか。ところが高齢者介護費納付等では給付金からひとの財産権を犯し天引きという徴収しやすい方法でさっさと年金財団の財布に取り込まれる。この整合性は何処にも見当たらない。3)与党、与党と威張るな与党、昔野党のなれの果て程度、否それ以上の謙虚さがあって丁度いい筈のもの、否滲み出るくらいでもいい、満つれば欠くるの謂もある、が、昨今聊か横暴ではないか与党内の覇権争いではあるまいが結句、何時の日にか実施の季節乞食・選挙対策か。民主主義を信奉するなら主権在民の四文字述語を肝に銘じて欲しい。民は小さきものにして素朴、純朴そのもの、黙して語らなくなる前に心得の要する処と考えるが如何。(2015/12/04 09:51)

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