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成田空港に新滑走路は必要なのか

すれ違う空港側と航空会社側の思惑

2016年10月21日(金)

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 航空会社にとって大きな節目となる、ダイヤの変わり目が、10月末にやってくる。毎年10月最後の日曜日が冬ダイヤの、3月の最終日曜日が夏ダイヤのスタート日で、この日を境に新路線の開設や撤退、拠点とする空港の移転などが行われる。

 今年の冬ダイヤの目玉は、なんと言っても羽田空港に米国路線が本格就航することだ。2010年10月の再国際化以降、羽田は徐々に国際線の就航都市を増やしてきた。当初はアジアへの近距離路線のみだったが、2014年3月の発着枠の増枠によって、ロンドンやパリといった欧州の主要路線が羽田へシフト。そして今回、これまでは深夜便に限られていた北米路線が、昼間の時間帯に就航する。

日本を代表する空の玄関口は羽田空港へと移り、改めて成田空港の役割が問われつつある(撮影:吉川 忠行、ほかも同じ)

 全日本空輸(ANA)は、羽田からニューヨークとシカゴへ就航。現在の深夜便のうち、ホノルル線は昼間へ移行し、ロサンゼルス線を深夜に残す。日本航空(JAL)は新規事業に対する国の監視が2017年3月末まで続いていることから、既存の深夜便であるサンフランシスコ線とホノルル線が昼間へ移るのみだ。もっとも、監視が解ける2017年春には、JALもニューヨーク線を成田から羽田へ移す可能性が極めて高い。

 そして米系航空会社では、デルタ航空がミネアポリス線を就航させ、既存のロサンゼルス線を深夜から移す。アメリカン航空もロサンゼルス線を深夜便から昼間の便に変更し、ユナイテッド航空はサンフランシスコ線を昼間に移す。また、ハワイアン航空が12月からコナ線を新設。米国勢による羽田からの新規就航都市は、ミネアポリスとコナとなる。

 名実ともに、日本の空の玄関となる羽田空港。一方で、これまで首都圏の国際線が離発着していた成田空港は、徐々に花形路線が羽田へ移ってしまい、欧州でも小規模な都市への路線や、LCC(格安航空会社)、貨物便が新たな柱となってきている。

 従来は羽田に就航する場合、成田にも飛ばさなければならないという、「成田縛り」と呼ばれる協定が効力を発揮してきた。ところが2015年2月1日にヴァージン アトランティック航空が日本から撤退して以降、そんな状況が変わりつつある。同社の成田~ロンドン線は、自社便を運航していないANAがコードシェアを実施していた。本来であれば、羽田からロンドンへ飛ばしているANAは、成田発便を再開しなければならないが、現状は羽田便のみだ。

成田縛りという独特の慣習は、ヴァージン アトランティック航空が日本から撤退して以降、少しずつ変わり始めている

 取り決めがあったとしても、現在の需給バランスや航空会社への負担を考えれば、成田便の再開は難しいと言わざるを得ない。ヴァージンの撤退以降、成田縛りはうやむやになりつつある。

 そして、米国勢ではデルタ航空が成田~ニューヨーク線を、10月3日の成田発便を最後に撤退した。羽田への北米路線就航により、ANAと組むユナイテッド航空とJALと組むアメリカン航空が、「圧倒的に有利になる」(デルタ航空幹部)として、路線の見直しを決めたものだ。

 デルタ航空には現在、日本国内で提携する航空会社が存在せず、コードシェアや日本の国内線との接続など、利便性を高めることが難しい。ニューヨーク路線の需要は羽田発着便に移ると分析したものだ。

 こうした北米路線の羽田シフトが進む中、成田でホットな話題と言えば第3滑走路(C滑走路)の建設だ。現時点では建設が始まったわけではなく、予定地が示されたに過ぎない。空港を運営する成田国際空港会社(NAA)や地元からは建設を望む声が聞かれる一方、航空会社側からはホンネとタテマエの声が聞こえてくる。

 成田には本当に第3滑走路が必要なのだろうか。

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「成田空港に新滑走路は必要なのか」の著者

吉川 忠行

吉川 忠行(よしかわ・ただゆき)

Aviation Wire編集長

ライブドアで同業初の独自取材部門「ニュースセンター」立ち上げに参画。ライブドア事件も内側から報じる。退職後はAFP通信社等で取材を続け、2012年2月Aviation Wire創刊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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