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ピーチ、チェックイン機を段ボール製に

コスト削減だけじゃない隠された戦略とは

2015年11月5日(木)

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 日本でも少しずつ定着してきたLCC(格安航空会社)。これは極限までコストを下げた結果、実現できる低価格運賃を大きな競争力の源泉にしている。航空機の稼働率を高めたり、大手では別々のスタッフが手がける仕事を1人のスタッフが兼務したりして、機材や社員の稼働率を高めることもコスト削減の大きな要因だ。

 国内初のLCCとして、ピーチ・アビエーションが関西国際空港へ就航して3年が過ぎた。当初は「日本では受け入れられない」「利用者の少ない関空では成功しない」などと言われたが、旺盛な訪日需要などが背中を押し、確実に認知度は高まっている。

 そのピーチが空港の自動チェックイン機をモデルチェンジした。大手では通常、7~10年は使うものだが、わずか3年で変更する。しかも新しくなるチェックイン機の外装には段ボールを使っている。

関空に設置されたピーチの新しいチェックイン機。段ボール製だ(写真:吉川 忠行、ほかも同じ)

 通常ならば、金属製のがっしりしたものを使うだろう。チェックイン機が段ボール製と聞くと、何やら不安を覚えるはずだ。果たして、ピーチはどのような狙いで段ボール製のチェックイン機を使うのだろうか。

 「今のチェックイン機は、2012年の就航前にバタバタしながら作った。3年間で蓄積したノウハウを生かし、本気で作ったらどうなるのかやってみたかった」。ピーチの人事・イノベーション統括本部イノベーション統括部の前野純部長はこう話す。

 これまで使われてきたチェックイン機は、木製の棚にパソコンとバーコードリーダー(読み取り機)、プリンタを組み合わせたもの。シンプルな外観で、「これで本当に大丈夫なのかと社内でも意見が出た。だが搭乗してしまえば不要になる航空券にお金を掛けたくなかった」(前野部長)という。実際、ピーチが編み出したこのチェックイン機の組み合わせは、その後で他の国内LCCにも広がっている。

これまで使われてきた自動チェックイン機。こちらも非常にシンプルだ

 新たに導入された段ボール製のチェックイン機は、地元の建築事務所と共同開発したもの。関空には10月23日から国際線用に5台導入されており、年内には国内線用としてさらに10台が追加導入される予定だ。関空設置後は、成田や那覇など、ピーチが乗り入れる全空港に設置するという。

 これまでのものと比べると、高さが70センチ高くなり、遠くからでも見つけやすくなっている。画面も従来の15インチから32インチに拡大され、上下半分ずつ異なる情報を表示できるようにした。

 これまでのチェックイン機は背が低いため、ターミナルが乗客でごった返していると、人混みに隠れて見つけづらかった。結果として、初めて利用する人がチェックイン機の奥に設置した有人カウンターまで来てしまい、係員が誘導することが頻発していたという。その点、新チェックイン機は高く、上部にピーチのロゴが入っており、遠くからでも見つけやすい。

画面が大きくなっている

 また画面が大きくなったことで、表示画面の上半分には、「お並びの方は旅程表をご準備ください」など、並んでいる間に用意してもらうものや注意点が表示できるようになった。画面の下半分には「バーコードをリーダーにかざしてください」など、チェックイン中の乗客向けメッセージが流れる。

 表示画面の言語も、予約時に乗客が取得したバーコードをリーダーにかざせば、日本語と英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語を、自動的に判別する。従来はこの言語選択の操作で外国人が戸惑うことがあり、時間がかかるケースが多かったという。

 こうした改善によって、乗客が搭乗するまでの時間が短縮される。

 ピーチが運航するエアバスA320型機は180人乗り。「単純計算でもチェックイン作業を1秒短縮できるだけで、180人にすれば合計3分の短縮になる。到着から次の出発までの折り返し時間がわずか30分と短い状況では、1分でも短縮できる効果は大きい」(前野部長)という。

 実際にどの程度の時間短縮につながるかという効果は現在測定中だ。効果が確認できれば、チェックイン機を新しくした意味があったということだ。

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「ピーチ、チェックイン機を段ボール製に」の著者

吉川 忠行

吉川 忠行(よしかわ・ただゆき)

Aviation Wire編集長

ライブドアで同業初の独自取材部門「ニュースセンター」立ち上げに参画。ライブドア事件も内側から報じる。退職後はAFP通信社等で取材を続け、2012年2月Aviation Wire創刊。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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