• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

TPPは米国の敗北に終わるかもしれない

2015年11月11日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今になって、またTPP(環太平洋経済連携協定)?と思わないでいただきたい。というのも、TPPの本当の功罪はまだ正確にはわからないからだ。

 10月5日、TPP交渉に参加している12カ国が大筋合意に達し、11月5日には協定の概要を発表した。交渉参加国では、官民を問わずいくつもの機関がTPPの経済効果を試算しているが、予測どおりになるかは定かではない。

 TPPの発効後、数年してから米国が「貧乏くじを引いた」と後悔することも十分にあり得る。協定の範囲は誰も覚えていられないほど多岐にわたり、各分野の10年後の結末は不明瞭なままである。

 TPPに対して、日本で未だに賛否両論があるように、米国でも意見は割れている。首都ワシントンにあるシンクタンク、ブルッキングズ研究所の研究員ジョシュア・メルツァー氏は「ある経済モデルを使うと、発効直後の経済効果は米国だけで年間50億ドル(約6000億円)、2025年には140億ドル(約1兆6800億円)に達する見込み」と前向きな数字を挙げる。

 しかし、1兆6800億円という数字を大きな経済効果と判断するかどうかは意見が分かれる。というも、同じワシントン市内にある経済シンクタンク、経済政策研究センター(CEPR)のデイビッド・ロズニック氏がホームページで次のように書いている。「TPPが米国の経済に与える効果は2025年の時点でGDPの0.13%に過ぎない。一般勤労者の給与は今後10年間で下がることになるはず。逆に超富裕層は著作権の保護などで所得が上がるだろう」

 米GDPは2013年時点で16.77兆ドル(約2000兆円)。0.13%と聞くと小さな割合に過ぎないが、金額にすると約2.6兆円に相当する。25年にはさらに大きな数字になっているはずで、前出のメルツァー氏の1兆6800億円を明らかに超える。

先のことは分からない――NAFTAの教訓

 10年後の世界の貿易体制を眺めたとき、各国が保護主義で自国の市場をガチガチに固めているよりは、自由貿易によって多くの物品やサービスが行き来した方が、経済が拡大するはずだ。

 ただ社会格差が拡大した理由の1つに、弱肉強食の社会を推進すると言われる新自由主義の拡大があったとされる。関税を撤廃し、大手企業が今以上に自由に経済活動をすることで、格差がさらに広がると憂慮する声もある。

コメント0

「アメリカのイマを読む」のバックナンバー

一覧

「TPPは米国の敗北に終わるかもしれない」の著者

堀田 佳男

堀田 佳男(ほった・よしお)

ジャーナリスト

1957年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、アメリカン大学大学院国際関係課程修了。米情報調査会社勤務後、90年にジャーナリストとして独立。政治、経済、社会問題で取材活動をつづけ、滞米25年後に帰国。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック