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センサー農業の極意「一番知りたい事は測らず」

植物に寄り添う「ゼロアグリ」

2018年1月26日(金)

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 今回は温度や湿度を測るセンサーがテーマ。農場の大規模化や人手不足を背景に農業にもIT(情報技術)化の波が押し寄せている。環境情報をリアルタイムで検知するセンシングはその中核の技術とされている。

 測るデータが多いほど、農場の様子を詳しく知ることができる。だが、計測器の数が増え、重装備になれば、投資額も運営費も膨らむ。そこで、コストの抑制が課題になるわけだが、今回取り上げるのはさらにその先。「知りたい情報を測らずに知る」という逆転の発想で作り上げたシステムだ。

使った分だけ、水を供給する

 紹介するのは、ベンチャー企業のルートレック・ネットワークス(川崎市)だ。明治大学と共同で、AI(人工知能)を使った養液土耕システム「ゼロアグリ」を開発した。2013年に初代のシステムを完成させ、2016年には第二世代を投入した。すでに国内外の80カ所の栽培ハウスに導入済みだ。

 システムを導入するハウスの栽培方法には1つ条件がある。水を作物にかけるのではなく、点滴チューブで肥料と一緒に地中に供給する。ハウス内にできるだけ均一に養液を入れ、収量と品質を安定させるためだ。水と肥料の供給量はクラウド上のAIを使い、自動でコントロールする。データを見て農家が作業を変えることも可能だが、水やりと施肥は基本的に自動だ。

 センサーで測るデータは地上と地下の2つに分かれる。地上の情報は、日射量と温度と湿度。地下の情報は地温と水分量と土壌ECだ。ECは電気の伝導率を指し、肥料の量が増えるとECの値が上がる関係にある。

 ルートレック・ネットワークスの共同創業者の時津博直氏はゼロアグリのコンセプトを次のように説明する。

 「植物が今日どれだけ水を使ったのかを、今日知りたい。使った分だけ、水を供給するシステムです」

ゼロアグリのシステムのイメージ

コメント3件コメント/レビュー

このような装置で、生産量が伸びていくのはとても好ましいことです。しかし、実際に運用してみると、開発時のような収穫量に届かないことが往々にしてあります。
なぜか?生産者が自分の都合に合わせて使っているからです。経営規模が小さいほど、経営者ひとりの考えが強く影響し、マニュアル通りに使わないことが多いです。
しかし、経営の中ではその使い方がとても合理的だったりします。農業のイノベーションはつねに個別の経営内の最適化とごちゃ混ぜにされ、社会になじんでいきます。これが妙味の正体ではないでしょうか。(2018/01/28 16:17)

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「センサー農業の極意「一番知りたい事は測らず」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

このような装置で、生産量が伸びていくのはとても好ましいことです。しかし、実際に運用してみると、開発時のような収穫量に届かないことが往々にしてあります。
なぜか?生産者が自分の都合に合わせて使っているからです。経営規模が小さいほど、経営者ひとりの考えが強く影響し、マニュアル通りに使わないことが多いです。
しかし、経営の中ではその使い方がとても合理的だったりします。農業のイノベーションはつねに個別の経営内の最適化とごちゃ混ぜにされ、社会になじんでいきます。これが妙味の正体ではないでしょうか。(2018/01/28 16:17)

農業に必要な精度を見極め、低コストを実現しているという話。とても面白く読んだ。(2018/01/26 19:39)

>工業製品は多くの場合、製造工程と製造された製品のいずれも画一性が求められる。誤差は少なければ、少ないほどいい。
良い記事ですが、この下りは誤解が有るようです。
工業製品も許容される誤差を最低限満たす条件でコストを最小化する設計が求められるので、考え方は同じです。
本当に見たいものを直接的に見るのはコストに合わないので代替特性を見るというのも同じです(半導体製造で酸化膜のTDDB特性を膜厚管理で代替する等)。
違いが有るとすれば、考え方ではなく、無機物と有機物を比べると前者の方が製造時に測定・コントロール出来るパラメータが多いという事でしょう。
センサー・AI等の技術進化により後者が前者に近づいて来たのが最近の傾向と思います。(2018/01/26 12:08)

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