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ロボットがイチゴをつくるわけじゃない

先端農場は今日も進化中

2016年2月12日(金)

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先端設備をそなえたイチゴ農場(宮城県山元町)

 東日本大震災の被災地にできた野菜の植物工場がずさんな計画で破綻し、地元の会社に買い取られて再生への歩みを始めた話を前回紹介した(2月5日「再生へ指導『落ちた復興のシンボル』」)。今回はその続編。舞台は宮城県山元町だ。

イチゴ復活を支えたソフトとは

 山元町には「ストロベリーロード」と呼ばれる東北有数のイチゴの産地があった。震災がこの通りを直撃し、栽培ハウスは津波をかぶって深刻な被害を受けた。だが町の人びとのイチゴへの思いは強く、いまは海岸から離れたところに新しい施設が誕生している。

 今回紹介するのはその1つ、GRAが運営するイチゴの栽培施設だ。山元町出身で、東京でIT会社を経営していた岩佐大輝氏がGRAを立ち上げたのが2012年1月。前回取り上げた、破綻した栽培施設の運営会社の発足から2カ月後だ。なぜ2つの「復興のシンボル」は明暗を分けたのか。そのことを考えるのが、今回のテーマだ。

 GRAについてはすでに多くのメディアが設備の内容を紹介している。例えば、日経新聞電子版は昨年9月、「気温や湿度、二酸化炭素(CO2)を測定するモニタリングポスト」「水の気化熱を利用して光熱費を抑える温度管理システム」「日照時間を制御する天井の自動暗幕」といった設備を詳細に報告した。

 たしかに、カラフルで清潔感あふれる施設や、海外から輸入した先端設備は、見るものをわくわくさせるものがある。閉塞感がただよう農業のイメージを一新するためにも、そういう情報を伝えることには意義があるだろう。だが今回の取材のポイントはあえてハードよりもソフト面、つまり施設を稼働させる前の準備と、稼働後の運営方法においた。

 イチゴの栽培に新規参入したGRAの若いメンバーたちは生育を安定させるためにどんな工夫をしているのか。岩佐氏へのインタビューの前にスタッフに施設を案内してもらったときも、そこに焦点を当てた。答えのひとつが、毎週火曜日の午後に開く「ミガキサイエンスラボ」だった。「ミガキ」は、GRAのブランド名「ミガキイチゴ」に由来する。

商談やイベント用のスペース。既存の農場のイメージを一新した。

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「ロボットがイチゴをつくるわけじゃない」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官