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なぜJALは脱サラ農家のコメを選んだのか

越後ファーム、10年一気通貫の努力が実を結ぶ

2016年3月18日(金)

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 地道に続けてきたビジネスの努力が飛躍に結びつく瞬間がある。都内の不動産会社に勤めていた近正宏光氏が10年前に始めた農業法人、越後ファーム(新潟県阿賀町)のコメが、日本航空の国際線のファーストクラスとビジネスクラスで使われ始めた。これまで使っていたのは、天下のブランド「南魚沼産のコシヒカリ」だ。

 越後ファームについては以前にもこの連載で紹介してきた(2014年4月11日「『1キロ5400円』超高級米のつくり方」)(同年12月12日「もう一歩深く、農業の世界へ」)。

高値で完売、日本橋三越本店で唯一の出店

「コメにこだわりのある料理人に会いたかった」と話す近正宏光氏

 これまでの歩みを簡単にふり返ると、不動産会社の社長の指示で近正氏が越後ファームを立ち上げたのが2006年。条件のいい平地では田んぼを貸してくれる農家が見つからず、ようやくたどり着いたのが山あいにある阿賀町の水田だった。企業の農業参入でふつうイメージするのと違い、規模を拡大して効率化する道がなかった近正氏は、高く売ることに戦略をしぼった。

 ターゲットは百貨店で買い物する富裕層だ。そのためには安全・安心をうたうことが前提になると知った近正氏は、農薬や肥料を一切使わず、山の掛水だけでつくる栽培方法に成功し、日本橋三越本店で唯一の米穀店を出店した。日本中のコメ農家が米価の先行きに気をもむなか、越後ファームのコメは毎年、破格の高値で完売。近正氏は2014年に不動産会社をやめ、コメビジネス一本でひとり立ちした。

日本橋三越本店の越後ファームの売り場。同社をはじめ各地のブランド米が並ぶ(東京都中央区)

 その歩みにとって新たなステップとなる日航の機内食への採用は、国際線ビジネスクラスの和食の一新にともない実現した。メニューを監修したのは、フジテレビ系列で放映されていた「アイアンシェフ」に出演し、都内の日本料理店のオーナーシェフで知られる黒木純氏だ。「ご飯にこだわりたい」と話す黒木氏と日航がおいしいコメを求めて協議した結果、白羽の矢が立ったのが越後ファームのコシヒカリだった。

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「なぜJALは脱サラ農家のコメを選んだのか」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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