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「高米価」で農家を追い詰めるチグハグ農政

減反廃止への誤った道筋

2016年3月25日(金)

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 コメの生産調整(減反)廃止まであと2年に迫った。国が各県にコメの生産量の上限を指示する現行制度の廃止で米価が下がるのを防ごうと、農林水産省は飼料米の増産に躍起になっている。給与所得がメーンの兼業農家でも楽に参加できるような補助金の出し方にすることで、昨年は減反を超過達成。勢いに乗る農水省は、この方法で強硬突破しようとしているようにみえる。

 2018年の減反廃止で稲作はどうなるのか。もっと効率的な補助金の使い方はないのか。そもそもコメ政策は本来、どうあるべきなのか。減反制度に詳しい岐阜大学の荒幡克己教授に聞いた。

数字を合わせるためには仕方ない?

減反廃止まで残り2年になりました。

 「5年以上前、農水省が飼料米に力を入れると最初に聞いたときは、自分も賛成した。いまの時期に日本海側の積雪寒冷地帯の田んぼに行くと分かるが、雪解け水で田んぼがびしゃびしゃになっている。かつては腰まで田んぼにつかって田植えをしていた地域もある。いくら乾田にしても、ちょっと天候が悪いとすぐ水浸しになる。コメの過剰を解消するためにこういう地域で麦を植えてもまともに育つわけがない」

 「農水省は当時、飼料米には多収穫の専用品種を使い、田んぼを集めて団地化して効率を高めるべきだと、相当強く言っていた。それなら収量はいまの2倍の10アール当たり1トンを実現し、補助金を圧縮することもできると期待していた。現実はそうはならなかった」

 「専用品種を本作にしていくのが筋だ。ところが、農水省はそれでは主食のコメの需給ギャップを埋めることができないと考えたのだろう、主食のコメをエサに回すことを認めてしまった。例年なら、何をつくるか農家が資料を提出する期限は6月末だが、去年は減反目標を達成するために1カ月延ばした。去年のようなやり方だと、プロ農家以外(≒兼業農家)でも対応できる。農水省も様々な弊害を分かってはいるが、数字を合わせるためには仕方ないと思ったのだろう」

「高米価にして減反を廃止すべきではない」と話す岐阜大の荒幡克己教授

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「「高米価」で農家を追い詰めるチグハグ農政」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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