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植物工場が畑に負ける要素は?「ありません」

日量レタス5万株!の衝撃(下)

2017年4月7日(金)

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 鳴かず飛ばずの植物工場で、値段に厳しいスーパーを販路にするベンチャー企業がついに登場したことを前回紹介した(3月31日「最強の植物工場は『手づくり』で完成させた」)。外食や総菜の食材と違い、スーパーなら自分の目で「モノ」を確かめられるはずだ。「日量2万1000株」も出荷しているのなら、あえてどの店に行くべきか教えてもらう必要もないだろう。

 そう思い、イトーヨーカドーのたまプラーザ店(横浜市)をのぞいてみた。1階の正面入り口からすぐのところにある青果物売り場を見たとたん、おもわずニヤリとした。

 棚に積み上がったフリルレタスのパックをみると、真ん中に大きく「京都府亀岡地区 稲田信二」の文字。その上には稲田氏の似顔絵まであしらってある。このレタスを手にとった人は、間違いなく、京都の山里で野菜をつくる匠(たくみ)の農家を想像するだろう。

イトーヨーカドーに並んだスプレッドのレタス(横浜市)

 「顔が見える野菜」のコーナーに自然に収まっていて、何の違和感もない。だがこれこそが、前回に続いて取り上げるベンチャー企業、スプレッド(京都市)が植物工場で生産したレタスなのだ。稲田氏はその社長で、泥にまみれて農作業することは絶無。似顔絵がちゃんと似ているだけに、おかしみが増した。

安全、安心、安定で信頼を得る

 スプレッドのレタスをイトーヨーカ堂が扱い始めたのは2014年。同社の看板ブランドの「セブンプレミアム」では唯一のレタスだ。扱っているのは首都圏の店舗。最初は1日に50~60パックしか売れなかったが、いまは10倍に増えた。「地道に売っているうちに、認知されるようになった」。

 イトーヨーカ堂がスプレッドのレタスを評価したのは、農薬を使わず、無菌状態でつくっているという「安全・安心」と、出荷が「安定」しているという両面がそろっていたからだ。真価が発揮されたのが昨年秋。長雨と台風で野菜が不足し、値段が高騰したときも、スプレッドのレタスは何ごともなかったかのように店に届いた。イトーヨーカ堂の担当者は「売れ筋のカット野菜に使い、取扱量を2倍に増やしたい」と話す。

 誤解を避けるために触れておくと、ヨーカ堂は工場野菜をベテラン農家のつくったレタスに装うために稲田氏の似顔絵を使ったわけではない。「顔が見える野菜」のスタイルに準じただけで、専用サイトで検索すれば工場でつくった野菜だと明記してある。「やっとこのテーマで質問が来た」と言って取材を快諾してくれたことからも、工場野菜へのポジティブな評価がわかる。

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「植物工場が畑に負ける要素は?「ありません」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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