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植物工場が畑に負ける要素は?「ありません」

日量レタス5万株!の衝撃(下)

2017年4月7日(金)

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スプレッドが入居しているベンチャー棟「京都リサーチパーク」。工場は別の場所にある(京都市)

 話を本題に進めたい。ここから先のテーマは植物工場のスプレッドと、その親会社で、全国の卸売市場間で野菜の売買調整をしているトレード(京都市)の話題に移る。トレードは物流会社もグループに持つ野菜流通の総合ベンチャーで、稲田氏はその創業社長だ。

このままいけば、必要なくなってしまう

 問いは2つある。なぜ稲田氏は野菜の流通だけでなく、生産にまで乗り出したのか。しかも、なぜ露地ではなく、いままで成功例がほとんどない植物工場を選んだのか。最初の質問に対し、稲田氏は次のように答えた。

 「このままいけば、卸売市場のあいだで野菜を売買する当社の事業は必要なくなってしまう。一番大きかったのは、そんな危機感を持ったことです」

 きっかけは、卸売市場の野菜の入荷量が減ってきたことにあった。流通ルートが多様化したこともあるが、理由はそれだけではなかった。野菜の産地が統合したり、昔からある産地が消滅したりするなど、生産現場でも変化が起きていた。

 「一度現場に行ってみよう」。そう思った稲田氏は10数年前に、高齢のトマト農家を訪ねてみた。稲田氏が「びっくりした」と言ってふり返るのが、「収量が半分くらいに減った」という告白だった。

 農家は2つの悩みを訴えた。1つは「年々気候がおかしくなって、あまりとれなくなった」。もう1つは「子どもたちは農業を嫌がり、都会でサラリーマンになった」。「今後どうしますか」と聞くと、「自分の代で農業は終わり」と答えたという。

 「ふだんスーパーに行くと、店頭には野菜や果物が豊富にあるので、あまり不安は感じていなかった」。ところが、改めて棚を見ると、輸入物の野菜や果物がけっこうあった。国内の生産基盤が弱り、国産から海外産に置きかわり続けたらどうなるか。それが「自分の事業は要らなくなってしまうのではないか」という危機感の理由だ。

 稲田氏が生産にまで踏み込んだのはそのためだが、露地栽培は利益が出にくいので難しいと考えた。欧州型のガラスハウスも、天候の影響を受けるので、場所が限定される。そこで、「植物工場に興味を持った」。

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「植物工場が畑に負ける要素は?「ありません」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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