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時代遅れ?「生産者の論理」で新ブランド

トレードが展開する京野菜シリーズ

2017年6月2日(金)

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スーパーの京野菜コーナーに並ぶ洛市の野菜(東京都調布市のマルエツの国領店)

 「京野菜」には京都産というだけで、ブランドとしてのアドバンテージがあるとふつうは思う。にもかかわらず、百貨店やスーパーで京野菜のコーナーを見ることが意外に少ないのはなぜか。一方で、野菜の流通会社のトレード(京都市)は、どうやって「洛市」という京野菜のブランドの展開を軌道に乗せつつあるのか。この2つの疑問について考えるのが今回のテーマだ。

いいものとは?相場とは?

 前回、京都で6年前に就農した若い農家が、新たな販路で経営を伸ばしていることを紹介した(5月26日「野菜相場『高値狙い』の誘惑を断て」)。記事のタイトルからわかるように、出荷価格が安定していることが経営拡大のテコになっている。その販路こそ、トレードが展開している京野菜「洛市」だ。

 洛市の野菜は、2012年ごろから百貨店やスーパーに並び始めた。すでに取り扱い店舗は800店に達しており、増勢はまだ衰えていない。もともと洛市ブランドの名前は知っていたが、実際に店頭で見かけたことをきっかけに、トレードに取材を申し込んだ。

 農業の取材で、こういう経験はそう多くはない。「躍進する農業法人」を取材することがよくあるが、その農産物を店頭で見つけることはあまりないからだ。目にするのは、農協や産地の名前のついた作物ばかり。これは、多くのメディアが伝える農業のイメージと実態とのギャップを映す。そうしたなか、最近ようやく取材対象のブランドを見る機会が増えてきた。洛市もその一つだ。

 トレードで、洛市ブランドの立ち上げから展開まで一貫して指揮をとっている木村友哉氏は商品のコンセプトについて「価値に合った価格とは何かを、野菜をつくる人と、ぼくら流通、さらに売る人の3者が理解したうえでやるべきことをやる。そうやって、安定的に提供できる商品にする」と話す。

 「いいものをつくるべきだと言うが、いいものとは一体何なのか。相場とは何なのか。品質を表しているというのが本来の姿だと思うが、実際は量の反映でしかない。そして実際、量があるところが強い産地になっている」

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「時代遅れ?「生産者の論理」で新ブランド」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官