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都市の田畑を消さない、起死回生の「エコ農政」

東大阪市「補助金より表彰状」で活路

2016年6月3日(金)

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 今回は行政の役割について考えてみたい。農政と言うと、補助金で農家の利益を補填したり、低利で資金を貸し付けたりするといったイメージが強い。だが、農家に情報を提供したり、販路を仲介したりするなど、お金に頼らないやり方もあり、そのほうが効果が出るケースも少なくない。紹介するのは、東大阪市の取り組みだ。

規模拡大ではない一手はないか

 東大阪市は農地面積が222ヘクタール(2015年1月)で、そのうち78%が市街化区域内にあるという典型的な都市型の農業だ。日本のほかの地域と同様、農地も年々減り続けているが、地方と違い、残った農地を集約して拡大し、経営を抜本的に効率化する道は事実上、閉ざされている。そういう難しい条件のもとで、どうやって田畑を守るかが、行政の課題になっていた。

地元野菜を応援する東大阪市の「ファームマイレージ2」

そこで東大阪市が2009年に始めたのが「ファームマイレージ2」という運動だ。一言でいえば、農協の直売所などを通じて生産者と消費者をつなぐ運動なのだが、その具体的な中身に入る前に、都市で農業を振興するうえでどんなハードルがあるかに触れておこう。

 まず難しいのが、農家のモチベーションだ。東大阪市の職員で、この運動を担当している田中康太さんによると、「都市の農家は必ずしもお金に困っていない」。農地の一部をマンションにして不動産収入があったり、息子がサラリーマンをしていて給与所得があったりするからだ。

 極論すれば、農業で利益が出なくても食べていくことができる。それでも農業を続けているのは、純粋に農業が好きだったり、「親から継いだ農地をつぶしたくない」という思いがあったりするからだ。行政としては、これ以上農地が減るのを食い止めたいが、そのためにどうやって農家のやる気を保つかという難題に答えを出す必要があった。

 だからと言って、売り上げを劇的に増やすことで、モチベーションを高めるのは簡単ではない。市の面積のうち、農地は3%強しかなく、先述したように規模拡大は無理。ロットが少なすぎるため、市場で扱ってもらうことも難しい。そんなことをしなくても、近隣の農業県から農産物はいくらでも入ってくる。

コメント2件コメント/レビュー

取り組みの視点が面白いですね(2016/06/04 00:51)

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「都市の田畑を消さない、起死回生の「エコ農政」」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

取り組みの視点が面白いですね(2016/06/04 00:51)

近くでこういう取り組みがあったと初めて知りました。
応援したいですね。(2016/06/03 08:50)

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