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「農政は民間をバカにしているのか!」(上)

異端の農協マンが語る「減反廃止」

2018年6月8日(金)

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トウモロコシ畑から今年、稲作に変えた田んぼ(秋田県横手市)

 コメの生産調整(減反)が廃止されたことを受け、主食のコメの大幅な増産にカジを切った農協がある。秋田ふるさと農業協同組合(横手市)だ。多くの産地が先行きを心配して様子見を決め込む中で、ふるさと農協は制度の見直しをきっかけに一気に「攻めの稲作」に転じた。

 何もAI(人工知能)や特殊なセンサーを使って栽培効率を高めることだけが農業のイノベーションではない。産地が方針を変えることで、農家の経営環境が劇的に変わり、農業を覆う閉塞感を打破できることがある。今回取り上げるのは、農協が旗を振り、大胆な一歩を踏み出した例だ。

 ふるさと農協の取り組みを紹介する前に、今年からコメ政策の何が変わったのかを説明しておきたい。減反廃止に関しては、「そもそも廃止していない」「むしろ減反強化だ」など様々な見方があるからだ。

 農林水産省は都道府県に対し、主食米の生産上限を毎年指示することで、減反を実施してきた。指示を受けた都道府県は市町村ごとに上限を配分し、市町村は個々の農家に配分を落とし込む。これが減反制度の柱だ。この流れの起点となる国から都道府県への配分が今年からなくなった。

 農水省は自治体が生産計画を作ることを認めているし、田んぼで主食のコメ以外を作ったときに出す転作補助金も引き続き出す。だから「減反は廃止されていない」と言いたくなるところだが、大きな違いがある。

 農水省が減反廃止に際して掲げている方針は、「需要に応じた生産」だ。国全体として見れば、コメ消費は年々減っているので、国から都道府県への指示は減産が前提になっていた。ところが、その指示がなくなったことで、地域によっては増産することも可能になった。営業努力で売り先を確保できているのなら、増産もまた「需要に応じた生産」と言えるからだ。

コメント4件コメント/レビュー

減反に協力したら補助金を出すやり方には、始まった時から同意できなかった。社会主義国ではないのだから、コメの生産調整は生産者が自分で判断すれば良い。農産物を『生産』する事に対する補助金なら話は分かるが、『作らない』ことに金を出すほど後ろ向きの政策はない。日本の食料自給率は4割を下回っているのに、だ。元々、日本の米価が国際的には異常なほどの高値になったのは、高度経済成長で地域格差が大きくなった事を調整する役割があったのだと思う。その後政府によるコメの全量買い付けを止めた時点で減反補助金は完全に止めるべきだった。私が3年前まで住んでいた町は、家から3分も歩けば水田が広がる地域だったので、『生産調整』でどれほどの田んぼが『放置』されたか見ている。多くの田んぼは、生産調整で休耕する場合、放置され雑草が生え放題が多かった。田んぼも放置すれば、あっという間に雑草が生い茂る。食料自給率を上げることは、国にとって『食料安全保障』の観点からも重要だから、消費される農産物を生産する農家にのみ補助金を出すべきだ。過去の過ちを質すのに遅きに失した感はあるが、意味なくズルズル続けるよりはマシだ。(2018/06/09 11:24)

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「「農政は民間をバカにしているのか!」(上)」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

減反に協力したら補助金を出すやり方には、始まった時から同意できなかった。社会主義国ではないのだから、コメの生産調整は生産者が自分で判断すれば良い。農産物を『生産』する事に対する補助金なら話は分かるが、『作らない』ことに金を出すほど後ろ向きの政策はない。日本の食料自給率は4割を下回っているのに、だ。元々、日本の米価が国際的には異常なほどの高値になったのは、高度経済成長で地域格差が大きくなった事を調整する役割があったのだと思う。その後政府によるコメの全量買い付けを止めた時点で減反補助金は完全に止めるべきだった。私が3年前まで住んでいた町は、家から3分も歩けば水田が広がる地域だったので、『生産調整』でどれほどの田んぼが『放置』されたか見ている。多くの田んぼは、生産調整で休耕する場合、放置され雑草が生え放題が多かった。田んぼも放置すれば、あっという間に雑草が生い茂る。食料自給率を上げることは、国にとって『食料安全保障』の観点からも重要だから、消費される農産物を生産する農家にのみ補助金を出すべきだ。過去の過ちを質すのに遅きに失した感はあるが、意味なくズルズル続けるよりはマシだ。(2018/06/09 11:24)

現場を知らない人たちは、評価するんでしょうね。米作農業を、他の産業と同じように考えたがる。大都市圏居住者達の、傲慢。稲作で儲かっているところは、ほとんど無いのに。続けている理由が、全く違うから。いずれ投資して増産したところは、借金を背負って自滅する。北海道の酪農農家と同じ。一般の稲作農家は、老後の趣味と節税目的が主体。基本は年金生活者。子や孫や親族のための米作り。ある意味値下がり耐久力が、無限大。だから、収益を前提とする投資は、採算に乗らない。投資に伴う借金が返せない。趣味農家の資材や農業機器購入はは、趣味の消費のうち。釣り好きが釣り道具に金をかけるようなモノ。奥さんは顔をしかめるけど。(2018/06/09 04:24)

農協は、農協という組織自体が、農業を利用して楽して儲ける、という目的の組織だと考えていましたが、中にはこのような、真に国民と農業の為に仕事をしている農協もあるのですね。
このような有意義な農協を増強してゆく政権を、国民が支持することが、日本国民の今後の重要課題の一つですね。(2018/06/08 18:05)

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