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経営がなければ技術は生かせない

企業参入と有機栽培(上)

2015年7月17日(金)

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 今回のテーマは「企業参入と有機農業」だ。化学農薬や化学肥料を使うふつうの農法と違い、有機栽培は繊細な技術が求められることが多く、規模や効率を重視しがちな企業には手を出しにくいというイメージが強い。だが、あえてその難題に挑戦している企業がある。茨城県小美玉市に本社のあるユニオンファームだ。農業資材の販売チェーンを広域展開するアイアグリ(茨城県土浦市)が2000年に設立した。

 取材のきっかけは、有機農産物を宅配する「大地を守る会」が生産者を集めて5月末に小美玉市で開いた勉強会だ。この日のテーマは「施設栽培における天敵利用」。害虫にとって天敵となる昆虫を使い、被害を抑える技術で、中央農業総合研究センターの長坂幸吉上席研究員の説明のあと、同氏の指導でこの技術を実践しているユニオンファームの農場を見学した。

 天敵利用といういかにも好奇心を刺激する技術を現場で見るのはとても面白かったが、それだけで記事にするのはためらいがあった。有機栽培は複合的な技術であり、天敵昆虫だけをフォーカスしても、全体像が見えないと感じたからだ。そこで、様々な技術をどう組み合わせているのかを聞くために、日をあらためて、ユニオンファームの玉造洋祐社長を訪ねた。だがインタビューの話題は、事前に予想したものとは違う方向へと展開していった。

最初は「農業経験はあるのか?」

どうやって栽培技術を安定させていったのですか。

 「わたしがユニオンファームの社長になったのは、7期目です。そのころは黒字の年もあるにはあったが、2期連続で黒字ということはなかった。当時のアイアグリの社長の鶴の一声でできた会社で、経営不在だったんです」

 「ユニオンファームには技術者がいますが、有機栽培の技術を研究しながら利益を出せというのは酷な課題です。研究は長期的には利益を生むが、すぐには利益に直結はしないものですから。経営の観点を入れることで、はじめて技術が生きるんです」

なぜ経営不在だったのですか。

 「わたしの前のユニオンファームの社長は地元の農家です。いまと違って企業参入のハードルがずっと高くて、当局から『農業経験はあるのか』などと言われたんです。ないですよ。新規参入なんですから。そこで、付き合いのあった農家に協力してもらって、代表になってもらったんです」

 「アイアグリにとってはわずかしか出資していない会社です。社員はユニオンファームの存在を知ってはいましたが、監督する部署さえなかった。ユニオンファームが事業を継続していくためには、経営不在のままではまずいということで、わたしが移籍したんです」

「人材を評価し、賃金に反映させないと満足度が高まらない」と話すユニオンファームの玉造洋祐社長(茨城県小美玉市)

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「経営がなければ技術は生かせない」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授