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なぜメガバンクが農業を?

巨額投資も先端技術もない計画の意味

2016年7月22日(金)

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まずは稲作の収益構造の理解から始める(東京都千代田区)

 ある意味、大手企業の農業参入としては例外的に地味なケースと言えるかもしれない。三井住友銀行が農業法人と組み、コメの生産と販売に乗り出すと発表した。豊富な資金を背景にした大規模な投資計画も、企業参入でよく連想するようなハイテクの栽培計画もない。

三井住友銀行 × あきたこまち

 まず、計画の概要を見てみよう。パートナーは、コメの生産から加工、販売を手がける大潟村あきたこまち生産者協会(秋田県大潟村)。両者と秋田銀行などが共同で新会社を立ち上げ、新たに稲作を始める。

 農作業は、長年稲作をやってきた生産者の役割。三井住友銀はコストの「見える化」を含む会計管理など企業的な経営手法の導入を担う。農地を借りる形で進めるほか、田んぼの耕運や代かき、田植え、収穫などの農作業の受託も手がけることで、実質的に経営規模を拡大していく。まず今秋から作業受託を始める計画だ。

 利益を確保するため、新会社は常勤の職員は大勢は雇用せず、臨時雇用を中心に農作業する。生産調整(減反)の廃止が予定されている2018年までは「試運転」という位置づけで、減反廃止をきっかけに離農が進み、規模拡大にはずみがつくと見込んでいる。3年で収支をとんとんにし、5年後に黒字化を目指す。

 管理する水田の面積は、10年後をめどに秋田県内で1000ヘクタールに増やすことを目標にしている。ここで農業ビジネスのノウハウを積み、将来は同じような共同出資会社を各地に展開するシナリオを描く。

 どうして銀行が農業に挑むのか。しかも、なぜあえて日本の農業のなかでもとくに状況の厳しい稲作なのか。三井住友銀は「このままでは稲作の担い手がいなくなる」と説明するが、もちろん、慈善事業で農業を始めるわけではない。

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「なぜメガバンクが農業を?」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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