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オランダ農業だって楽じゃない

カゴメのトマト栽培の伝道師かく語りき(1)

2015年7月31日(金)

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 トマトと聞いて、ふつう思い浮かべる食品メーカーはカゴメだろう。ソースにジュースにケチャップにと、1899年の創業以来、日本のトマト関連事業をずっとリードしてきた。

 そのカゴメが自ら生鮮トマトの栽培に乗り出したのが、創業から約100年たった1998年。常勤顧問の佐野泰三さんは、事業の立ち上げから一貫して軌道に乗せるために奮闘してきた。

 どうすれば、トマトをはじめとした日本のハウス栽培はもっと強くなれるのか。ヒントをさぐるため、まずは日本の施設園芸のお手本と言われるオランダの農業の話から聞いた。

補助金は「実践のための研究」へ

オランダの農業の強みは何でしょう。

「オランダのトマトは過剰生産」と話すカゴメの佐野泰三常勤顧問

 「オランダには40回以上行きましたが、その成長力の源として感じるのはなんと言っても輸出。園芸分野の輸出額はなんと2兆円もある。そこで働いている人も40万人に達していて、国にとってものすごい重要な産業です」

 「しかも大切なのは、この40万人がほとんど民間の人だということです。農業経営をアドバイスするプロのアドバイザーはいますが、日本の都道府県の普及指導員のような人たちはいない。民間の雇用としての40万人であって、単純に税金だけで収入を得ている人はほとんどいません」

研究開発体制が充実していることも有名ですね。

 「国立のワーゲニンゲン大学を頂点として、中学、高校、専門の大学まで、品種や技術の開発から、農場で栽培を実践する人材の育成まで体制が整っています。人を育てる仕組みが国家レベルでできている。これと比べると、日本はどうしてもバラバラだと感じてしまう」

 「日本の補助金はふつう農家向けに出ます。ところが、オランダの施設園芸に関する限り、農家を保護するために補助金を使っているという話は聞いたことがない。補助金の行き先は、研究開発です。イノベーションを起こすのが目的です」

 「日本の場合、研究開発の大きなテーマはたいてい農林水産省が決め、各地域の研究機関に割り当てるじゃないですか。でもオランダは、農業会社などの生産の現場から『今年はこれをやりたい』『来年はあれ』という感じで必要とされるテーマが上がってきて、国がそれをサポートする。実践のための研究。なかなかよくできた仕組みだと思います」

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「オランダ農業だって楽じゃない」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師