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苦節10年!トマトでなければやめていた

カゴメのトマト栽培の伝道師かく語りき(2)

2015年8月7日(金)

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 カゴメの生鮮トマト事業と言えば、企業の農業参入の代表例としてたびたびメディアで取り上げられてきた。大手の電機メーカーや衣料品チェーンが参入し、撤退した実例は、あとからふり返れば、農業を甘く見たようにしか見えない。それと比べ、カゴメが自らトマトをつくるなら、いかにも必然性があるように見える。

 ところがそのカゴメでさえ、トマトの栽培を始めてから、安定して利益を出せるようになるまでに10年以上かかった。いやむしろ、よくそれだけ長い時間辛抱し、黒字化にこぎつけたと評価すべきかもしれない。カゴメだから、トマトをつくればすぐに収益事業になるほど、農業は簡単ではないのだ。

 企業が農業に参入する意味はなにか。なぜ黒字化するまで長い時間我慢できたのか。前回「オランダ農業だって楽じゃない」に続き、カゴメの常勤顧問の佐野泰三さんに聞いた。

マネジメントサイクルと農業は合わない

企業が農業をやる意義は何でしょう。

「ブームに乗じた無謀な挑戦」を戒めるカゴメの常勤顧問の佐野泰三さん

 「いや、株式会社など会社法人の事業形態は、必ずしも農業には適していませんよ。会社組織は計画を立て、予算を組み、財務的なものを考えながらやらなければなりませんが、1次産業はあまりにも計画通りに行かない」

 「企業のマネジメントサイクルに合わないんですよ。予算に対して実績はどうだったとか、原価に対してどれだけ利益が出たかとか、PDCAサイクルを組み立てようとしても、ちょっとした天候の変化で影響を受ける。例えば、とれすぎると市場で値段が落ちる。バイヤーも仲卸も1円でも安く買おうとするから、契約がなかなか成り立たない」

それでも企業としてトマトをつくり続けてきましたね。

 「うちが生鮮トマト事業を始めたのが1998年ですから、もう17年になります。自分はスタート時からずっとこの事業に携わってきました。いまや、大きなガラス温室が全国12カ所にあって、面積は50ヘクタールを超えている。日本最大です」

 「なかなか計画通りにいかないのは、うちも同じです。偶然天気がよくて、計画よりも多くとれてしまったり、病気が出て計画の半分もいかないということもあった。ガラス温室は露地でつくるのと比べると天候の影響は少ないかもしれない。それでも工業ではないので、完全に制御はできないんです」

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「苦節10年!トマトでなければやめていた」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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