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ベテラン農家はなぜ記者の酒量を批判したのか

栽培の基本は「過剰の排除」から

2017年8月18日(金)

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 農業への筆者の関心は、どちらかというと、栽培より経営にある。そのため、現場発の情報を心がけてはいるものの、どうしてもスーツ姿の経営者に取材することが多くなる。そこで、今回はより畑に重点を置いたエピソードをお届けしたいと思う。紹介するのは、有機農産物の宅配を手がける大地を守る会(千葉市)の生産者、吉沢重造さんだ。

 取材のきっかけは、大地を守る会の社長、藤田和芳さんへのインタビューだった。春先に何回か取材する機会があり、藤田さんと長年親交のある生産者を紹介してもらえることになった。それが、75歳のベテラン農家の吉沢さんだった。1981年から大地を守る会に出荷しており、藤田さんは「重造さんと大地を守る会は一緒に成長してきた」と話す。

 栽培面積は4ヘクタール。埼玉県川越市で、大根やサトイモ、ニンジン、ホウレンソウ、それにネギに似た緑黄色野菜のワケギなどを育てている。

朝4時に畑に行って、暗くなったら庭で缶ビール

 インタビューはまず、吉沢さんの家の庭のテーブルで始まった。農家らしく広い庭で、巨大な扇風機が風を送っている。藤田さんが「ここはいいね、暑いけど、さわやかだね」と話すと、吉沢さんが応じた。「仕事を終えて暗くなったころ、風呂から出て浴衣に着替え、『今日も無事だった』と思いながら、ここでビールを飲むんだ」。

吉沢重造さんは過剰を排し、バランスを重視する。(埼玉県川越市)

 「前は気のすむまで飲んだけど、いまは缶ビール1つでいい気持ちになっちゃう。2、3本飲んで当たり前だと思ったら、2、3本飲んじゃうけど、健康のことを考えたら、1本で十分」。吉沢さんが農作業のあとのビールのおいしさを語っているとき、つい余計なことを言ってしまった。

 「私は3、4本飲んでますよ」

 何気ないこのひと言が、この日のインタビューに影響してしまうのだが、それは後述しよう。

 一日の仕事納めのひとときの話題になったので、毎朝いつごろから仕事をしているのかを質問した。「朝3時半に起きて、4時に畑に行って、トウモロコシの収穫」。まだ日が昇っていないので、手で触り、トウモロコシの膨らみ具合で収穫すべきかどうかを判断する。感触だけでわかるのかと聞くと、「それがわかんねえようじゃ」とひと言。

コメント14件コメント/レビュー

睡眠不足でカロリー過多で栄養失調な人を反省させるよい記事。植物栄養学の研究成果を正しく実践している農家ですな。こういう農家が多いと、農学基礎分野の大切さが分かってくるように思います。(2017/08/28 14:02)

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「ベテラン農家はなぜ記者の酒量を批判したのか」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

睡眠不足でカロリー過多で栄養失調な人を反省させるよい記事。植物栄養学の研究成果を正しく実践している農家ですな。こういう農家が多いと、農学基礎分野の大切さが分かってくるように思います。(2017/08/28 14:02)

生ゴミ堆肥活動をしている私たちに畑を貸してくれている農家さんもこんな感じ。研究熱心でいつもあれこれ工夫していらっしゃいます。毎日土まみれで畑で動いていますが、実はかなりのお金持ち。輸送費がかからず生活の心配がない都市近郊農家は恵まれているようですが、その農家さんも後継者問題がなかなかたいへんそうです。息子さんが手伝うようになったらいきなり除草剤使い始めたので、どうしたもんかなぁ。(2017/08/20 12:57)

コメントの
>「雑草を生やしては耕しを繰り返すと生えなくなる、というあたりが何故なのか」

土に含まれている雑草の種をワザと発芽させるが、種を作らせ無い事で
土に含まれる未発芽の種を減らしていく事で、雑草そのものが生え難くなる。
雑草の種が出来る前でも早期に再度耕す事で次の残る種の発芽を促すサイクルを早める。
作物を植えている間は作物が主に栄養を取るので抑制できる。
その意味でも作物に必要なだけの栄養と言うのが雑草が強く育つのを防ぐ。
そういうことでしょうかね?

農地ではないが、空き地の雑草を刈るのでもアホかと思うのよね。
邪魔になってから刈るので、完全に雑草の種が出来上がってから刈る。(2017/08/19 11:07)

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