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農家の皆さん、名刺を持つことから始めましょう

都市農業に求められる「商人道」

2016年9月9日(金)

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 ものづくりに愚直にこだわってきたにもかかわらず、埋もれた農家が日本にはたくさんいる。前回は、東京都内でその発掘に挑戦している青果物店「しゅんかしゅんか」の集荷の様子をリポートした。今回はその続編。

 「しゅんかしゅんか」を運営するエマリコくにたち(国立市)は、大手不動産会社を脱サラした菱沼勇介さんが2011年に立ち上げたベンチャー企業だ。前回取材した山川武士さんは新入社員らしい新鮮な感覚で、農家と接する喜びを語ってくれた。そこで今回は経営者の菱沼さんの目に映る、店舗運営や都市農業の課題を紹介したい。

自家消費から抜け出す

直営店はどこにありますか。

 「国立と西国分寺と立川とで3店、加えて7月に多摩センター三越にもオープンしました。仕入れている農家は全体で100ぐらいあります。農家から農家へと紹介が広がっていくケースがほとんどです。それぞれ狭い地元のなかでやっていくのが、うちの基本的な考え方。国立は国立、立川は立川の野菜を売る。それで足りないものは、ほかの地域と交換し合ってます」

地元の野菜を中心に品ぞろえする「しゅんかしゅんか」(多摩センター三越)

「しゅんかしゅんか」ができる前、彼らはどこに出荷していたんでしょう。

 「そこが結構問題。ごく一部ですが、どれくらい所得があったのか疑問な農家がいます。しかも出し先がほとんどないのに、畑がすごい稼働している農家がいるんです。彼らの場合、基本的には換金されてなかったんだと思います。自家消費。そういうのもあるところが都市農業の不思議なところです」

 「ぼくらが入ると当然、野菜が換金されるようになり、生産量を増やすことができるようになる。そういう農家は結構多いです。まあ、みずから販路を開拓するほど、困ってないんです」

「野菜は理性ではなく、舌で買うもの」と話す菱沼勇介さん(多摩市センター三越)

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「農家の皆さん、名刺を持つことから始めましょう」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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