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東大とタッグ、「コロンブスの卵」の植物工場

プランツラボラトリーの逆転の発想

2017年9月8日(金)

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ビニールハウスを基礎にした植物工場(西東京市の東京大学の生態調和農学機構、写真提供:プランツラボラトリー)

 新しいタイプの植物工場を見学するため、西東京市にある東京大学の生態調和農学機構を訪ねた。キャンパスを進んでいくと現れたのは、よくある頑丈な建物の植物工場ではなく、オランダ型のハウスのような陽光に輝く巨大な施設でもなかった。テント生地に包まれたこぢんまりとしたその施設は、一見、ふつうのビニールハウスにしか見えない。というより、基本構造がビニールハウスと同じであることが、この植物工場の最大の特徴なのだ。

断熱材か遮熱シートか

 植物工場の企画販売を手がけるベンチャー、プランツラボラトリー(東京・港)と東大の河鰭(かわばた)実之教授が共同で開発した。「建物のがっちりとした構造と、精密なコントロールは関係ない」。河鰭教授はそう話す。

 なぜ、ビニールハウスのような施設で、植物工場的な生産が可能になったのか。ポイントは室内の環境を、室外とどうやって遮断するかにある。通常の建物は、壁に断熱材を埋め込み、外の熱や冷気が室内に入らないようにする。これに対し、プランツラボラトリーの施設はビニールハウスの骨組みにアルミ製の薄い遮熱シートを張ることで、外気の影響を受けるのを防ぐ。

 断熱材と遮熱シートのどちらを使うかで、施設全体の作り方に様々な違いが出る。断熱材は外の気温が上がったとき、熱を蓄えることで室内の気温の上昇を防ぐ仕組みのため、断熱材にたまった熱はゆっくりとだが室内に放出されてしまう。そのため、室内の温度を一定に保つには、エアコンなどを使って温度を下げる必要がある。

 これに対し、遮熱シートは外の熱をはね返すことで、室内の気温の上昇を防いでいる。反射率は97~98%に達しており、外の熱が室内に入ってくることはほとんどない。こちらも温度をコントロールするためにエアコンは使うが、当然のことながら、台数は普通の建物と比べてずっと少なくてすむ。

コメント1件コメント/レビュー

ビニールハウスの環境遮断性を高めて植物工場機能を持たせるのは先進的なハウス農家なら誰でも一度は考える方法だろう。これまで無かったのは、ハウスの生産性と工場コストでものを見てしまったせいで、ハウスのコストと工場の生産性を両立すると言う視点が実現できなかったからだと思うので、そこが達成できれば素晴らしい。環境維持のために遮光しているようだが、太陽光を有効利用する事で更に照明コストが下げらないか。赤外線カットなどの機能性フィルムで採光と環境維持を両立できると、収益性が上がりそうだ。人口環境一本の方が管理しやすいだろうが、今なら自然環境も取り込んだうえで環境コントロールも可能だろうから、LEDとエアコンだけの工場から、自然光と人工照明、外気とエアコン、の併用を高度な制御で実現できるとさらに良さそうだ。(2017/09/08 11:58)

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「東大とタッグ、「コロンブスの卵」の植物工場」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビニールハウスの環境遮断性を高めて植物工場機能を持たせるのは先進的なハウス農家なら誰でも一度は考える方法だろう。これまで無かったのは、ハウスの生産性と工場コストでものを見てしまったせいで、ハウスのコストと工場の生産性を両立すると言う視点が実現できなかったからだと思うので、そこが達成できれば素晴らしい。環境維持のために遮光しているようだが、太陽光を有効利用する事で更に照明コストが下げらないか。赤外線カットなどの機能性フィルムで採光と環境維持を両立できると、収益性が上がりそうだ。人口環境一本の方が管理しやすいだろうが、今なら自然環境も取り込んだうえで環境コントロールも可能だろうから、LEDとエアコンだけの工場から、自然光と人工照明、外気とエアコン、の併用を高度な制御で実現できるとさらに良さそうだ。(2017/09/08 11:58)

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