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高米価で輸入を増やすコメ政策の矛盾

米国との「密約説」が映す業界の疑心暗鬼

2016年9月16日(金)

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補助金で稲作を誘導する農林水産省(東京・霞ケ関)

 心配していたことが、やはり現実のものになろうとしている。農林水産省が9月7日に実施した今年度初の輸入米の入札で、落札量は1万416トンと、昨年度の第1回入札の16倍強に達した。2015年度の落札量は8回の入札の合計で2万9000トンだったが、今年度はそれを大幅に上回る見通しだ。

 ちなみに、「心配」と上に書いたが、外国のコメを食べる機会が増えることは、日本の消費者にとって悪いことではない。外国産だからただちに安全性が疑わしいわけではなく、味も国産と比べて著しく劣るわけでもない。外食にしろ家庭の食卓にしろ、消費者が安い外国産で食費を抑えることを頭から否定すべきでもない。

2年続けて国産米の価格が上昇

 問題は、外国米の輸入が増える原因にある。消費者が積極的に外国米を選ぶようになったというなら話はべつだが、実情は違う。2年続けて国産米の価格が上がっているため、外食企業などが安い外国米を求めるようになったことが背景にある。中食や外食企業は狭い利幅のなかで競い合っており、利益を確保するための、やむをえない措置なのだ。

 米価の水準を関係企業はどう受け止めているのか。米穀安定供給確保支援機構が小売りや中・外食会社、卸売業者、農協などを対象に実施している調査によると、米価の見通し判断DI(指数)は、2015年春ごろから上昇を始め、今年8月は69と過去最高を記録した。見通し判断DIは向こう3カ月の米価の予測を示す指数で、業者の多くが米価が上がると感じ続けていることがわかる。

 ではなぜ、米価が上昇基調にあるのか。理由の1つは、補助金を使ったコメの生産調整(減反)を通し、主食のコメから飼料米へと作付けを誘導したことにある。農水省によると、2015年の飼料米の作付面積は4.6万ヘクタール増え、主食米の面積は逆に6.8万ヘクタール減った。麦や大豆への転作もあるが、飼料米の影響がダントツで大きい。

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「高米価で輸入を増やすコメ政策の矛盾」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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