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ついに出た「植物工場があって助かった」の声

異常気象が潜在力を引き出す

2016年10月14日(金)

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 華やかに報じられることが多い植物工場だが、実態はどうなっているのか。そのことをテーマに最近、破綻から再生へのプロセスをたどった植物工場の事例を紹介した(9月30日「『夢の植物工場』はなぜ破綻したのか」)。

 取材を通してわかったのは、スーパーなど価格競争に巻きこまれやすい販路は、電気代などのコストがかさみがちな植物工場にとっては不向きだという点だった。この工場は再生の過程で、レストランやコンビニ向けの総菜など売値が安定している売り先を確保することで、収益構造を好転させた。

 今回はその続編。角度を変え、外食側からみた植物工場の意義について取材した。紹介するのは、焼き肉チェーンを展開する牛繁ドリームシステム(東京都新宿区)だ。食材は、焼き肉を包むサンチュ。JA東西しらかわ(福島県白河市)の植物工場「みりょく満点やさいの家」から仕入れている。

牛繁の店舗。外食・中食が植物工場の可能性を引き出す。(東京都新宿区)

量も大きさもキープ

 まずは、植物工場からの仕入れを担当している飯野公敏商品部長のコメントから。「サンチュは量の心配をする必要がなくなった。値段も安定している。本当に助かっている」。これはけして大げさなセリフではない。

 スーパーに行けばすぐわかる。8月の台風と9月の日照不足が東北や関東産の野菜の成育に響き、レタスなど葉物野菜が不足したり、値段が高騰したりしている。これがレストランを直撃した。サンチュが小さくて肉を巻くことができなかったり、レタスが足りなくてミズナや大葉でサラダを補ったりするなど、メニューに影響を及ぼしている。

 これに対し、牛繁はことサンチュに関しては、天候に左右されない植物工場から仕入れているため、現時点で入荷量にまったく影響が出ていない。市場に出回るサンチュは品不足を補うため、十分に育つ前に出荷されるものが多いのに対し、牛繁はメニューの規格にしている「22センチメートル以上」の大きさを保っている。飯野氏は「加えて、レタスがあったらどんなに助かるか」と話すが、それは今後の課題だ。

牛繁がJA東西しらかわから仕入れたサンチュ。味にクセがなく、軟らかい。

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「ついに出た「植物工場があって助かった」の声」の著者

吉田 忠則

吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師